巨人上原浩治投手(42)が日本復帰後、公式戦初のマウンドに上がり、1回1奪三振無失点と好投。球場の雰囲気を一変させる存在感でチーム初勝利への流れをつくった。1軍公式戦登板は08年11月6日、日本シリーズ第5戦西武戦以来、3432日ぶり。

 1点リードの8回、沢村からバトンを受け4番手で登板。阪神先頭の大山をスプリットで3球三振に切ると、続く糸原を左飛、代打高山を二ゴロに打ち取り、11球で3者凡退に抑えた。拳を握り、跳びはね、ほえながらベンチへ走った。出迎えてくれたチームメートと力強いハイタッチを何度も重ねた。

 感情を全面に出した気迫の投球を見せ「興奮してましたね。点差も点差だったし、ああいう展開で投げるのは、すごく緊張する場面だった。それでも無事に3人で終えることができたことと、その前に勝ち越してくれたことがいい励みになった」と振り返った。

 降板後、ベンチ内で斎藤投手総合コーチから渡された記念のボールを受け取り「最初の三振を奪った時のボールだと言われたけど、メジャーみたいに証明のシールがあるわけでもないので、ちょっとどうしようか考え中です」とうれしい悩みも増えた。