阪神が今秋ドラフト候補として、東洋大の「150キロ右腕トリオ」をリストアップしていることが9日、分かった。この日、東都大学リーグが開幕。上茶谷(かみちゃたに)大河投手(4年=京都学園)が中大戦に先発し、16奪三振の完封で初勝利を挙げた。

 神宮のバックネット裏には阪神のスカウト陣が熱視線。佐野統括スカウトや畑山チーフスカウトら総勢5人がチェックした。上茶谷は試合終盤も球威は衰えず、140キロ台後半で押した。最速は148キロだったが、スライダーやスプリットも駆使して圧倒。球団関係者が「すべての球種で勝負ができるし、カウントも取れる。コントロールもいいし、ボールに力がある。伸びしろもあるし、楽しみな投手」と高評価する逸材だ。

 チームの若手では小野らが台頭するが投手陣の充実は継続的なテーマだ。東洋大はクローザーの甲斐野央(ひろし)(東洋大姫路)や梅津晃大(ともに4年=仙台育英)も擁しており、いずれもドラフト上位候補に挙がる。3投手は3月3日、楽天2軍とのオープン戦で、いずれも無失点。先発梅津と、上茶谷が最速151キロを計測。甲斐野は154キロの快速球を披露していた。いずれも金本監督好みの剛腕タイプ。球団関係者は「3人には注目していく」とも説明している。スカウト陣は徹底的なクロスチェックを重ねていく方針だ。

 ◆上茶谷大河(かみちゃたに・たいが)1996年(平8)8月31日生まれ、京都市出身。京都学園を経て東洋大。1年秋からリーグ戦(当時2部)出場。180センチ、85キロ。右投げ右打ち。

 ◆甲斐野央(かいの・ひろし)1996年(平8)11月16日生まれ、兵庫・西脇市出身。桜丘小3年から野球を始め、黒田庄中を経て東洋大姫路から東洋大へ。185センチ、75キロ。右投げ右打ち。

 ◆梅津晃大(うめつ・こうだい)1996年(平8)10月24日生まれ、福島市出身。仙台育英では2年春のセンバツでベンチ入りも、登板機会なし。187センチ、92キロ。右投げ右打ち。