中日柳裕也投手(23)がプロ初完投を完封で飾った。完封は12球団一番乗りだ。好調ヤクルト打線を2安打2四球。初回から7回まで3人ずつの快調ペースで、試合を2時間18分で終わらせた。唯一のピンチは8回。2四球で2死一、三塁とされたが代打大村を今年習得したチェンジアップで空振り三振に仕留め、ガッツポーズが飛び出した。

 「今日は1球1球腕を振ろうと思っていた。ベンチが8回、9回もマウンドに上げてくれたのでその期待に応えたかった」

 前回3日の巨人戦は4回途中4失点。「前回ひどい投球をして、今日ダメなら入れ替えもあると思っていた。結果を出して食らいついてやろうという気持ちだった」。1週間でフォームを見直し、低めに投げることに徹底した。

 16年ドラフト1位。鳴り物入りの入団も、開幕前に右肘痛でつまずいた。シーズン中にも背中を痛め、1勝どまり。明大、中日の先輩で1月に亡くなった星野仙一氏に、入団直後から「ケガだけはするな」と言われ続けたが、守れなかった。オフからホットヨガに通うなど体作りを徹底した。いつも気に掛けてくれた先輩の死にショックを感じているが「最終的には自分が頑張って結果を出すのが一番」と口元を引き締める。

 森監督は「ホーム開幕を任せた柳と(開幕投手の)小笠原に勝ちがついたのが何より。完封だとチームが乗っていく」と左右の両輪に頼もしげ。若武者がけん引する中日は初の連勝。勢いが出てきた。【柏原誠】

 ◆柳裕也(やなぎ・ゆうや)1994年(平6)4月22日、宮崎・都城市生まれ。横浜で甲子園3度出場。明大で3年春からエースを務め、4年春秋にリーグ優勝。同年の明治神宮大会も制した。東京6大学で通算23勝、338奪三振。16年ドラフト1位で中日入団。180センチ、85キロ。右投げ右打ち。