ソフトバンク打線のエンジンがかかってきた。2回1死一塁で、松田宣浩内野手(34)が9試合ぶりとなる3号2ランを放ち、先発東浜を援護した。3回には3番柳田が3号2ラン。3試合連続弾を右翼ポール際にライナーで運んだ。7回には代打福田が今季1号。チームは今季初の4連勝を飾った。

 「熱男~!」の大合唱が1発攻勢の号砲になった。2回1死一塁。松田は岸に追い込まれてからの高め直球を逃さなかった。左中間テラス席に飛び込む9試合ぶり3号2ラン。打った瞬間に確信し、叫びながらダイヤモンドをぐるり。昨年は3発を見舞った得意の右腕から、これで4年連続となる1発で先制点をもたらした。

 松田 3本目ですけど、2本は負けゲームだった。勝ちゲームで打てるのが理想なので、勝てて良かった。前にいいバッターがいるので、自分が打てば大量点につながる。それがいいプレッシャーになっている。

 松田はここまで、なかなか調子が上がりきらなかった。悔しい思い、もどかしい思いを抱えながらも、ベンチ裏では表情を変えない。無安打が続いていた4月上旬の遠征中も「一喜一憂はしていられない。結果よりも、元気に試合に出られることが一番大事」と、沈んだ顔を見せることはなかった。工藤監督就任から3年連続で全試合出場を続ける、チームの中心としての高い意識が安定したプレーを支えている。

 松田が打てば柳田が呼応する。3回1死一塁。見送ればボールになりそうな内角低め直球を右翼ポール際へ運んだ。打った本人もビックリの3戦連発3号2ランで加点し「偶然が偶然を呼んだホームラン。奇跡が起きました。たまにはいいことあるもんだね」と独特の表現で喜んだ。

 チーム内での競争意識が相乗効果を生んでいる。松田は「ギータとデスパの2人に対しては闘志をむき出しに、意識しながらやりたい。2人に常に(本塁打の本数で)勝ち越していれば、30本プラスアルファまでいける」。柳田も「ぼくはテラスには入れないんでね(笑い)」とジョークで先輩を“口撃”しながら「負けないように頑張りたい」と応酬した。

 今季初の4連勝となり工藤監督は、代打福田のダメ押し弾も含め「3発とも有効なところで出た。大きな勝利だと思います」とニッコリ。貯金も今季最大の3とし、徐々にエンジンがかかってきた。【山本大地】