楽天の守護神・松井は、3点リードの8回に登場した。1死から四球を与えながら、無失点で抑えた。そして最終回にはハーマンがコールされた。ここまで1度もなかった光景。リードした場面では、必ず最終回に背番号「1」が立っていた。シーズン途中での配置転換。松井は「後でプラスだと思えるようにしたい」とチームの2連勝にも笑顔はなかった。

 梨田監督が試合前、松井に声を掛けた。「状態を上げるという意味でも。ショック療法」。昨季まで3年連続で30セーブ以上を記録する松井は試合前まで12試合出場で、4度の救援失敗と本来の姿を発揮できていなかった。同監督は「あくまで一時的なもの」と続けた。臨時でクローザーを務めるハーマンも「彼が日本を代表する投手で、クローザーであることに変わりない。その時が来たら、快く譲る」。松井にとって、チームにとっても意味のある配置転換としたい。