守護神復帰へ、猛アピールだ。楽天松井裕樹投手(22)が日本ハム戦(札幌ドーム)の8回に登板、1回を3者凡退に抑え無失点リレーでのチーム2連勝に貢献した。11日オリックス戦に配置転換され、ハーマンに代わり「8回の男」に就任。以降、4試合連続で無失点を続けている。好調をキープし、1日でも早く定位置奪取を狙う。

 以前までの姿は、ない。松井の表情には、どことなく余裕さえ感じさせた。3点リードの8回に5番手で登板。先頭の田中賢を3球で追い込むと、外角ギリギリを突く146キロ直球で見逃し三振。次打者の西川も外角150キロ直球で空振り三振とリズミカルにアウトを積み重ね、最後も直球で二ゴロ。「直球が特に良かった。これを続けていきたい」と本人も納得の3者凡退で役目を終えた。

 打者3人に16球を投げ、ボール球は4球だった。そこに手応えがあった。「ボール先行でいかなかったことが良かった。これを1点リードの場面とかで、出していきたい」。守護神時代はボール先行になることが多く、いらつく場面があった。11日から8回を任せた梨田監督も「ストレートに力があったね」と評価した。

 本調子に戻りつつある。要因について、松井は「いくつかあると思うんですけど。配置転換される少し前から、いい感じになっているという予兆はあった」。8日ロッテ戦から失点はなく仕事を果たしている。開幕当初は直球の制球が定まらず、変化球主体の投球で逆に狙い打ちされることがあった。梨田監督は「かなり調子いいね。いずれは戻すつもり」と復調を認めた。

 臨時で守護神を務めるハーマンも、安定した内容で9回を無失点。2セーブ目を挙げた。松井-ハーマンと続く今の楽天。従来のハーマン-松井となる日も、そう遠くない。梨田監督は「もう少し様子を見て」と、じっくり焦らずに背番号「1」の動向を見つめていく。【栗田尚樹】