借金ゼロで交流戦突入や! 阪神金本知憲監督(50)がヤクルト戦(甲子園)が天候不良で中止となった23日、交流戦前の残り4試合について3勝1敗以上をノルマに設定した。現在2つある借金を少なくともゼロにして、来週29日の交流戦開幕を迎えるイメージ。貧打続きだった打線は4番ロサリオを筆頭に復調気配を漂わせており、一気に勢いをつけて交流戦に臨みたいところだ。

 雨音には負けない強さで、金本監督は言葉に力を込めた。午後3時45分、天候不良でヤクルト戦の中止が発表された。その直後、甲子園室内での全体練習チェックを終えると、ゆっくりと階段を上って報道陣の元へ。交流戦開幕日となる来週29日に向け、最低ノルマを明かした。

 金本監督 (借金を)返したいね。あと2つだから3勝1敗か。そうなるように頑張りますよ。ひと区切りやからね。

 交流戦突入まで残り4試合。2つある借金をゼロにするには1敗しか許されない。4試合のうち3試合は巨人戦。今季2勝7敗と大きく負け越している宿敵との対決も待つが、妥協はしない。「(借金がなくなれば)気分も違うだろうしな。上とのゲーム差があまり離れすぎてもいかんし。まずは5割じゃないですか」と強調した。

 前日22日ヤクルト戦は久々にスカッとする試合だった。4番ロサリオが11戦ぶりの1発を放つなど、13試合ぶりの2ケタ安打で8得点。勢いのまま次戦に臨みたいところで水を差された形だが、指揮官は「まあ、いいんじゃない? 良くなったところで、もう1回休んで。いい方に考えないと」と前向きだ。交流戦までの借金返済に向け、ポイントについては「今は打線でしょう。誰がどう見ても」ときっぱり。猛虎打線の完全復調を信じる。

 もちろん、キーマンはロサリオになる。この日は午前中に黒髪から染めたのか、前日話し込んだヤクルト・バレンティンをほうふつさせる、金髪にも近いオレンジ色の髪に変身して登場。気分転換に成功し、フリー打撃などで汗を流した。「せっかくいいリズムで来ていたので、今日はやりたかったです」と残念がったが、目立った笑顔に周囲もホッとひと安心。金本監督は「吹っ切れてほしいけどね」と、前夜の1発から始まる上昇気流に期待。R砲を先頭に、虎が一気の借金返済をもくろむ。【佐井陽介】