パ・リーグの6月から目が離せない。4月に強烈な開幕ダッシュを決めた西武が5月に入り失速。Bクラスのオリックス、ロッテが健闘し、首位から5位までのゲーム差が近年になく圧縮されている。5月に何が起こり、6月をどう戦うのか。担当記者が分析した。

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 西武は5月に失速した。3、4月は19勝5敗で首位を独走。月が替わると一転、10勝14敗と負け越した。ターニングポイントは8日ソフトバンク戦。千賀のフォークに翻弄(ほんろう)された。16三振で今季初の完封負け。辻監督は「良いフォークがあるのは分かっている。追い込まれる前に甘い球を打てなかった」。ここから打線がおかしくなった。翌9日も完封負けし4連敗。15、16、20日も無得点。2週間で5試合も完封負けした。

 開幕ダッシュは打線の力が大きかっただけに、失速は当然の帰結かも知れない。辻監督の懸念は、積極性の喪失にあった。象徴的だったのが、摂津を打ちあぐねた22日のソフトバンク戦。5回3安打無得点に抑えられ「勝ててないのもあるけど、選手がちょっと違う。いつもの積極性を見たい。カウント3-1からも普通に打っていたのが、大事にいって…」と指摘した。4回2死満塁では、金子侑がカウント3-1からの5球目を見逃した後、凡退(三飛)した。

 31日広島戦で10者連続得点など打線は復調傾向だが、今度は救援陣が逆転を許す展開が続く。26、27、30日と延長戦は3連敗。投打がかみ合わない試合が増えている。【古川真弥】