ソフトバンクが交流戦負けなしの6連勝を飾り、貯金を今季最多タイの6に戻した。上林が自分でも驚く自身初の3試合連続アーチをかけた。「いやあ、ちょっとアンビリーバボー(信じられない)ですね」。3回1死一塁、高め直球を右翼席中段まで軽々と運んだ。この3連戦の3連発はすべて苦手の左腕から。これが球団の交流戦300号と節目の1発となった。

 前カードの阪神3連戦は3試合で13打数1安打。試合前のフリー打撃から甲子園特有の浜風に打球を押し戻された。「いったと思った打球が入らない。メンタルやられますよ」と嘆いていたが、阪神との3戦目が終わった深夜1時に3つ上の兄泰源さん(26)から電話が入った。「過ぎたことだし、切り替えろと。話が長いんですよ」と上林は苦笑い。大宮東で高校球児だった兄からの1時間のアドバイスだった。

 今季初の3番に起用した松田が、2発を含む3安打2打点。右肘に不安のある今宮を休ませ代役の西田が決勝適時打を放つなど、工藤監督の采配が的中した。交流戦で6連勝以上を記録したシーズンは6度目となるが、過去5度はすべて交流戦を制覇している。「V率100%」の交流戦は残り12試合。勢いに乗って貯金を増やしリーグ連覇、日本一につなげる。【石橋隆雄】