ロッテ井上が“サイクル超え”の大暴れで接戦に持ち込んだ。安打→三塁打→9号ソロを放って迎えた7回の第4打席。6点を追う2死一、二塁でバックスクリーンに2打席連発の10号3ランを運んだ。サイクル安打達成を期待していたスタンドも、3点差に詰め寄る二塁打以上の1発に大興奮。「フェン直のツーベースだと思ったんですが、入るとは思わなかった。ズルズル負けるわけにはいかなかったので、結果入ってよかった」とうなずいた。

 114キロの巨体を揺らし、全力疾走した。4回、左翼越えの飛球はフェンスに直撃後、クッションボールの角度が変わりグラウンドを転々。打球処理に時間がかかる間に、プロで初めて打席から三塁まで到達した。諸条件が重なってのプロ初の三塁打。「自分の場合はあれしかないですから。(サイクル安打は)今日しかなかったかな」とほんの少し悔しさものぞかせた。

 記録こそ逃したが、本塁打は初めて2ケタに乗せた。前日の決勝満塁弾に続く活躍だったが、チームは敗戦。今月13日にへんとう炎での離脱もあっただけに「挽回する気持ちがある。結果が出てもうぬぼれず、謙虚にやることをやるだけ。頑張ります」と口元を引き締めた。【佐竹実】