ようやく笑顔が戻った。楽天則本は、満面の笑みで仲間とハイタッチ。約2カ月ぶりの白星をかみしめた。「野手のみなさんに感謝したい。次は、ちゃんと自分の投球でチームを助けられるように、勝たせられるようにしたい」。5月19日の日本ハム戦以来となる今季5勝目。自身の連敗を5で食い止めた。

 勝利を手にしたが、満足はしていない。1回に先制を許すと、5回までに2失点。6回には元チームメートの西田に2ランを浴びた。自身の連敗が始まった5月26日のソフトバンク戦から、この試合まで6戦連続で2失点以上を喫している。平石監督代行も「苦しんでいる中、勝てたことが一番」と言いながら「(西田)哲朗の1発はね。余計でした」と反省点を指摘した。則本自身も「野手のみなさんのおかげ」と何度も繰り返した。

 同じ滋賀出身の先輩の活躍が支えとなった。自身が通った八幡商は近江八幡市にあり、サッカー日本代表MF乾の出身地。面識こそないが、「ずっと代表で活躍されていて、ニュースとかでも今回の活躍を見て。刺激になった」。次こそ、完璧な投球でエースの意地を見せる。【栗田尚樹】