5時間7分に及んだ死闘は、無情の1発で幕を閉じた。敵地に乗り込んだ日本ハムは、楽天12回戦(楽天生命パーク)で今季5度目のサヨナラ負け。8-8の延長11回1死一塁から、7人目の玉井大翔投手(26)が途中出場の楽天山下に右越え2ランを許した。

 総力戦となった二転三転のシーソーゲーム。延長10回、代打鶴岡の左中間二塁打で1点を勝ち越し、迎えたその裏の守り。この回からマウンドに上がった玉井が不運に見舞われたのは、2死走者なしからだった。2連続長短打で一、三塁と同点のピンチを招くと、続く5番銀次の打球は、高く跳ねて玉井を襲った。捕球したものの、体勢を崩しての一塁送球はセーフに。日本ハムベンチからの要求でリプレー検証したものの、判定は覆らずに同点の適時内野安打となった。

 そして、11回。山下への2球目は、想定より浮いてしまった。この日、最後のとりでとしてチームのマウンドに上がった背番号54は「アウトにしないといけない場面で、アウトにできなかった。ちょっと甘く入った感じのボールになってしまい、スタンドへ持って行かれてしまった」と肩を落とした。

 首位西武とのゲーム差は1・5差に、再び開いた。だが、下を向いている時間はない。栗山監督は「誰が悪いとかどうこうではなく、監督が勝ちきらせてあげられなかった」と選手たちをかばい「しっかりやります」と、次戦を見据えた。【中島宙恵】