日本ハム中田翔内野手が、一振りで試合を決めた。1点を追う9回、近藤の適時三塁打で同点としなおも1死三塁。続く中田はロッテ5番手益田の投じた内角球を引っ張り、三塁手の横を破るサヨナラ安打だ。一時6点リードを許す劣勢の試合展開も終盤2イニングで7点奪う劇的勝利。中田めがけてマウンド付近に猛ダッシュで迫ってきたチームメートの輪に両手を広げて飛び込んだ主砲は、手荒い祝福を受けた。

 「前打者の近藤も粘り強く塁に出てくれて、打席に入りやすい雰囲気を作ってくれた。何とか打ちたいなと思っていた。無我夢中で、打った瞬間は、抜けてくれと思った。(サヨナラが決まり)やった~と。(前日の)釧路にしても帯広にしても札幌ドームに足を運べない人もいる。僕たちも特別な気持ちで試合に入っている。勝ちをプレゼントできて良かった」。ヒーローインタビューで中田が、日本ハム・ファンへのリップサービスを見せるとスタンドも沸いた。

 前日の釧路で3安打5打点をマークした中田は、この日も5打数3安打3打点と大暴れ。打点を78とし、試合前の西武山川(79打点)に迫ってきた。「まだまだ50試合近くあるので突き放されないように頑張りたい」。2年ぶり3度目の打点王も視野に入れた中田のバットが暑さに負けじと勢いを増している。