中日先発の笠原が自身3連勝でチームの連勝を導いた。6回1死満塁のピンチでも落ち着いていた。打席には代打の切り札新井。インコースの要求だったが、真ん中へ入った143キロの直球は気迫十分。見事、遊ゴロ併殺に打ち取った。

「調子自体は良くなかった。(新井は)ど真ん中にいったけど、打たせて取るという強い気持ちでいけた」。前夜サヨナラ弾のヒーロー鈴木も手玉に取った。1回1死一、三塁。カウント2-1から145キロの直球でファウルを取り、続く5球目に緩急差27キロ、118キロのチェンジアップで主砲のバットに空を切らせた。5回の3打席目は逆に118キロのカーブでファウルを打たせ、144キロの直球外角いっぱいに決めて見逃しの三振に打ち取った。「あの人(鈴木)は調子がいいので、調子づけないようにした」。新潟医療福祉大から16年ドラフト4位で入団した2年目左腕は会心だった。

鈴木にはこれで2年間7打数無安打5奪三振とキラーぶりを継続。6回8安打2失点、今季2戦2敗の首位広島で堂々の投球を披露し広島戦のプロ初勝利を決めた。前日23日の阪神戦でのサヨナラ勝利の余韻を守り、チームに連勝ももたらした。

この日まで2勝7敗と鬼門だった苦手マツダスタジアムの3連戦初戦を勝ち取った。報道陣から先発笠原の好投や佐藤初セーブなど質問を受けた森監督も上機嫌。質問には全て「その通り」を続けて帰りのバスに乗り込んだ。孝行息子たちが竜の粘りを作り出した。【伊東大介】