中京大がエースの意地をかけた息詰まる投手戦を制して、12年ぶり8度目の優勝を飾った。

4回に1死から3番上原将大(4年、成章)、4番村上恭平(3年、中京大中京)の連打の後、四死と死球による押し出しで1点を先制。これをエースの松井大河(4年、中京)が9回3安打に抑えて、九産大に1-0で完封勝ちした。九産大のエース宮城圭汰(4年、南風原)も被安打3と好投し、打線も9回表に2死二、三塁と一打逆転のチャンスをつくったが、あと1本が出なかった。

中京大の松井は初戦となった2回戦の東洋大戦で7回1失点と好投。23日の甲南大戦は8回無失点に抑えるなど大会を通じて抜群の安定感で「今まで積み重ねてきたことが成果として出たと率直に感じた。そして本当にいいメンバーに恵まれた。自分も本調子ではなかったが、バックを信じて投げたので、相手をいいリズム、いい流れで打ち取れた。このチームの優勝に貢献できた。本当にうれしい」と満足そうだった。

昨年と一昨年は準々決勝で敗退した。その悔しさを胸に、今年は真夏の長丁場を勝ち抜くために体力を強化し、守備を軸にした全員で守り勝つ野球をつくりあげてきた。決勝戦はまさに今年のチームの持ち味がすべて凝縮された内容だった。決勝点のホームを踏んだ上原は「ベスト8超えが今年の課題だったので、そこを目指してきた。試合を重ねていく中で、チームが結束していくのがわかった。途中からは優勝を狙えるチームになったと感じた。4年生を中心として下級生の力も借りながら全員で優勝を勝ち取ることができてうれしい」と感激に浸っていた。