38日ぶりの六甲おろしが響いた。阪神が7月25日以来となる本拠地甲子園での白星を挙げた。快勝の主役となったのはキャプテン福留孝介外野手(41)。先制打、逆転打に続き、13号ダメ押しソロアーチと3安打4打点の大暴れで、虎党を歓喜させた。

これが福留だ。1点を追う5回無死一、三塁。DeNA京山の直球を捉えた。打球はがら空きの左中間へ。逆転の一塁走者北條もホームを狙う。守備陣が中継でアウトを狙う間に福留は三塁へ。返球がそれると、一気にホームを陥れた。「ゲッツーでも1点入る場面。楽な気持ちで打席に入れた。激走? いやあ、無理なことはするもんじゃないね」と笑った。

球審の傾向も読んでか、踏み込んで左中間へ打ち返す技術の高さ。そして先の塁を次々に狙う姿勢。41歳が見せた執念に、沈んでいた甲子園も元気を取り戻した。1回には無死一、三塁から左前に先制適時打を放ち「前の2人が塁をにぎわせてくれるからね」。若い糸原、北條のがむしゃらな姿勢をたてた。

試合前の全体ミーティングでは「こういうときだから、自分たちを表現しよう。気持ちを前に出して、明るく野球をしよう!」と鼓舞。7回には13号ソロも放ち「自分たちで何とかしないと。一応キャプテンを預かっている身だしね」とプレーでもけん引した。チームは連敗を3でストップ。金本監督も「ファンにも申し訳ない気持ちでいっぱいだった。良かったです」と喜んだ。3位巨人まで2ゲーム差だ。【池本泰尚】