DeNAの小さな巨人が、2つの快挙を成し遂げた。

DeNA東は、5回にこの試合のヤマ場を迎えた。1死一、二塁で打席はマギー。「前の打席でチェンジアップを打たれていた。同じ球を振ってくるだろうと、少し低めを狙った」。思惑通り、遊ゴロで併殺に仕留め、6回6安打2失点。史上初の新人による巨人戦4戦4勝とともに、目標にしていた10勝目を挙げた。

何もかもが初めてのプロ1年目は「今」だけのために日々を過ごしているわけではない。ベンチでバナナを食べるもぐもぐタイムの裏で、酷暑の夏はトマトを食べていた。ヒントは林修のテレビ番組。「トマトが持つリコピン(栄養素)で体の酸化を防ぐと知って、1日1個は食べるようにしている」と取り入れた。この日の日中は北陸の富山でも35度まで気温が上昇。それでも尻上がりに調子を上げ、トマトの力が残暑による失速をも防いだ。

目標としていた2桁勝利に、巨人キラーという肩書まで付いてきたが「そっちよりも2桁がうれしい」とキッパリ。「これからの目標は定めないで、1戦1戦集中して投げたい」。DeNAが誇る小さな巨人のスケールは、底が知れない。【栗田成芳】