DeNAのG後藤武敏内野手(38)が今季限りで引退することが9日、分かった。今季は代打の切り札として2軍で調整を続けきたが、1軍での出場はまだない。横浜高-法大を経てプロ入りし、西武で9年、DeNAで7年プレー。複数の関係者の話を総合すると現役から退くことを決断し、一両日中にも発表されるもよう。横浜高で松坂と同期の「松坂世代」が、また1人ユニホームを脱ぐ。

勝負強い打撃と、明るいキャラクターで人気を博した背番号55。ファンからも選手からも「ゴメス」の愛称で親しまれた。今季2軍では56試合に出場し、打率2割7分、3本塁打、15打点の成績。シーズン最終盤での1軍出場の可能性は十分にあり、広島新井と並んで現役最多の代打本塁打11本を更新する機会があるかもしれない。

昨オフ、松坂が中日への移籍が決まると「対戦が実現すれば夢が1つかなうことになる」とモチベーションに変えた。西武入りした03年に同僚となったが、4年後には松坂がメジャーに挑戦し離ればなれになった。「彼が世代の代表で僕らはその背中を追いかけてきた。松坂世代を終わらせないためにやる」と、今季にかける思いは強かった。「どんな立場でも諦めないで勝負する。夢をかなえたい。そこにいくまで勝負」と話していたG後藤。9月21、22日には中日戦があり、「夢」とした松坂と対決する可能性もわずかながら残されている。

◆後藤武敏(ごとう・たけとし)1980年(昭55)6月5日、静岡県生まれ。横浜高3年に松坂らとともに甲子園春夏連覇。法大2年時には春のリーグ戦で3冠王。02年ドラフト自由枠で西武入団。03年開幕戦で西武の新人では史上初となる先発4番でプロ初出場。09年に内野手から外野手へ転向。11年オフに武山との交換トレードでDeNAに移籍。愛称はゴメス。登録名を15年に後藤武敏G.、16年は後藤G武敏、17年はG.後藤武敏、18年はG後藤武敏に変更。176センチ、84キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1890万円。