阪神藤川球児投手(38)が、長年のライバルである中日荒木雅博内野手(41)との対戦を感慨深げに振り返った。

右肘の張りで9月24日に出場選手登録を抹消されていたが、この日から復帰。9回に登板すると、今季限りで引退する荒木が1死から代打をコールされた。

まだ引退を公表していない荒木だが、打席では笑顔。藤川も笑みを浮かべた。藤川は代名詞の直球だけで勝負。

荒木も分かっていた。ただしお互い全力だ。148キロ見逃し、146キロファウル、144キロファウルのあとの4球目、外角への147キロを遊ゴロに打たせた。

スタンドと阪神ベンチに頭を下げた荒木に対し、藤川も笑顔で返した。チェンジになったあとも両サイドのベンチでアイコンタクトを交わした。

「荒木さんにはよくやられました。打たれた記憶しかない。(荒木、井端の)アライバコンビにはだいぶやられた。ここ3年くらいは対戦がなくラッキーと思っていました。そういう中、自分のところで出てきてくれてうれしかったし、つらいです」。

互いの全盛時に長年戦い、毎年のように優勝を争っていた。甲子園での対戦はこれが最後。13日にナゴヤドームで両軍の最終戦が予定されており、そこが荒木の引退試合にもなる。