金本阪神が巨人のCS進出をアシストする屈辱負けを喫した。打線が苦手メルセデスから4点を奪ったが、桑原や望月の中継ぎ陣が踏ん張れず9失点。今季甲子園での39敗は球団史上最悪の泥沼だ。坂井オーナーに怒声が飛び、外野ではケンカが起きるなど虎党のイライラも爆発。今日10日の甲子園最終戦(対DeNA)は猛虎の意地を見たい。

G党が歓喜の歌に酔いしれる中、外野席では虎党同士の大げんかが勃発した。グラウンドには縦じまユニホームが投げ込まれた。帰り際の坂井オーナーにまで「坂井オーナー、いつ辞めるんですか?」と男性から罵声が飛んだ。完敗で宿敵のCS進出決定をアシストし、金本阪神ワーストタイの借金19を背負った直後、甲子園にはやり場のない怒りが充満していた。

「見ての通り、力の差っていうのは、特に打力はありますね」。試合後、金本監督は力なく認めた。今季巨人最終戦は完全なる力負けだった。今季24イニング連続無失点に抑え込まれていた左腕メルセデスから初回に先制。6回途中4失点で降板させたまでは良かった。だが、救援陣が同点の7回、そして8回、4番岡本に2打席連発を献上してジ・エンド。最下位確定から一夜明け、もう虎に反発力は残っていないのか…。

ついに負の歴史を塗り替えてしまった。今季甲子園で20勝39敗2分け。95年の38敗を超え、球団ワーストの負け数となった。78年の甲子園借金17を超える借金18以上も確定した。敵地を含めても、9月27日DeNA戦で大山がランニング弾を放って以来、11戦連続でノーアーチ。指揮官は「ちょっと長打力が課題ですね」と疲労を隠せなかった。

今日DeNA戦が今季甲子園ラストゲーム。金本監督は力を振り絞るように語気を強めた。「絶対に、何としてでも勝ちたい。選手たちも最後はファンの前でいい試合をしてほしい」。最後の最後ぐらい、来季に向けた希望の光を見つけて終わりたい。【佐井陽介】

▼阪神は甲子園で今季39敗目(20勝2分け)を喫し、95年の38敗を超えて球団史上最悪を更新した。甲子園での借金は現在19。仮に今日10日DeNA戦に勝っても、21勝39敗2分けで借金18となる。78年の借金17(19勝36敗3分け)を超え、ワースト借金となることが確定した。また、これまでの甲子園での最低勝率は78年の3割4分5厘。10日DeNA戦△または●でこれを下回る。