中日からドラフト2位で指名された東洋大・梅津晃大投手(22)が9日、東京都内のホテルで仮契約を行った。契約金は8000万円、年俸1200万円(ともに推定)。最速153キロ右腕の梅津は「1勝2勝は気にしないでスケールの大きい選手になってほしい、と言ってもらいました。球速もいけるところまで、(エンゼルス)大谷さんのように大きい選手になりたいと思います」と意気込んだ。

母とともに、エースへの道を歩む。ドラフトを目前に控えた10月中旬、母明美さんが脳出血で倒れ、宮城・仙台市内の病院に入院した。ドラフト当日は「正直、ドラフトより母が心配だった」と話していたが、明美さんは7日にリハビリ専門の病院に転院。梅津も付き添った。今はまだ会話が出来ない状態だが「(ドラフトは)テレビで見ていたと思います」と、母の思いはしっかり感じている。契約金を何に使うかと聞かれると、少しの間考えて「母の入院代に回したいです。特にほしいものはないです」と話した。

「(リハビリは)これからが勝負だと言われています。自分と同じゼロからのスタート。負けないように頑張りたいです」とプロの世界に挑む梅津は、明美さんとともに戦うつもりだ。「リハビリは時間がかかると言われているので、自分も時間をかけて。1軍で投げられる状況になった時に、母も歩ける状況だと一番うれしいなと思います。自分も頑張ります」。ドラゴンズのユニホームでマウンドに立つ姿で母の目の前に。プロの世界でも、1人ではない。