阪神から侍ジャパンに選出された岩貞祐太投手(27)が、名誉挽回のメジャー斬りだ。5回1死から先発多和田を救援して初登板。この回を乗り切り、6回も走者は出したがホームを踏ませなかった。1回2/3を無失点、3奪三振だった。

気持ちが入っていた。「前回があれだったので、気合を入れて、腕を振っていきました」。最初の打者サンタナに右前打され、迎えるは4番アクーニャ。ギアを上げた。チェンジアップと直球で2ストライク。3球目は強く腕を振ったスライダー。「使える変化球がスライダーくらい。『振ってくれ』と思って投げた」。バウンドするボール球だったが強打者のバットは動き、空を切った。スアレスは141キロの直球で空振りさせ「シーズン中(の球)とまではいかないけど、直球で三振を取れたのはよかった」と納得した。

侍のデビュー戦だった7日の壮行試合・台湾戦(ヤフオクドーム)では1回5失点と炎上。投手陣で唯一崩れ、敗戦の責任を背負い込んだ。10月29日に追加招集されたばかりで調整不足。だが言い訳はのみ込み、重圧と責任感を背負った。

「前回は力の伝わっていない球ばかりだった。今回は自分の操れる球で抑えようと思っていた。(大会が)終わるまではホッとできません。出たら、とにかくゼロで抑えたい。阪神で唯一来ているので、阪神の看板というか、恥をかけないなというところです」

今季は先発23試合で7勝10敗。左腕エースと期待されながら、満足いく成績は残せなかった。来季逆襲へ、メジャー相手につかんだ収穫は、大きかったに違いない。【柏原誠】