西武源田壮亮内野手(25)が、鉄人ぶりを球団から心配された。4日、メットライフドームで3900万円アップの8000万円で契約更改。内野手3年目での8000万円到達は初となる。前人未到の入団から2年連続フルイニング出場達成を評価された一方で、無理を心配する声もかかった。

源田が交渉の席での意外なやりとりを明かした。「フル(イニング)は心配されたんです。“無理だけはするな”みたいな」。

渡辺シニアディレクター兼編成部長が補足する。「偉業というか、最大限の評価をしてます」とした上で「後半、優勝争いで無理して出ている部分がだいぶあった。長くかかるケガをしてしまったら、チームにすごくマイナスになる選手。こだわりすぎて、大きなケガは負わないように」。7月11日のロッテ戦で新人開幕から221試合連続フルイニング出場を達成。巨人長嶋茂雄(現終身名誉監督)を抜き、プロ野球新記録を樹立したが、替えの利かない存在だからこそ、全体で危機管理を徹底する。

新人王の昨季を上回る活躍で、入団3年目の内野手としては初めて年俸8000万円に到達した。「ポジショニングだったり、去年1年間出させてもらったことを生かせたんじゃないか」。打者の特徴をインプットできたことで、広い守備範囲はさらに進化。遊撃のプロ野球新記録となる526補殺を記録し、初のゴールデングラブ賞に輝いた。「今年は今宮さんのケガがあったので、チャンスが巡ってきた。来年、今宮さんも僕も1年間ケガなくプレーして(自分が)取れればうれしい」と慢心はない。打撃面でも「出塁率(今季3割3分3厘)をもっと上げたい」と成長を誓う。

球団から心配されたフルイニング出場についても「大きいケガを押してまで、とは思わない」としつつ「試合が始まってしまえば、最初からゲームセットまで出たい。その積み重ねで1年間できれば」とも言った。「2年間、たくさん経験を積ませてもらった。もっと責任感を持って、チームのことを考えて野球をやりたい」。FA移籍の浅村が抜けた内野だが、頼もしい源田がいる。【亀山泰宏】(金額は推定)

◆入団3年目年俸 大リーグ出身のマイケル中村(日本ハム)の1億5600万円が最高で、8000万円以上は源田で16人目。西武で8000万円以上は01年松坂の1億円以来2人目。過去15人の守備位置は投手13人、外野手2人で、野手で8000万円以上は00年高橋由(巨人)の1億円、12年長野(巨人)の9500万円に次いで3人目。内野手で3年目に8000万円は初めて。