「二刀流」巨人たいじ(27)が8-0で広島ゴジラに勝利し、リーグ代表決定戦進出を引き寄せた。

鉄壁の投手力を打ち砕いた。初回の先頭打者吉川尚が広島大瀬良の外角低め直球を左中間へはじき返し、二塁打で出塁すると、続く亀井は四球。無死一、二塁で迎えた3番打者坂本勇が149キロ直球を完璧に捉えて左翼席へ先制3ランをたたきこんだ。その後も攻撃の手を緩めず、4番岡本のソロ。1死二、三塁ではヒットエンドランを仕掛け、小林の2点適時打で突き放した。試合前まで防御率1・88だったゴジラから初回に一挙6得点。「絶対に得点を取ろうと。1回表にピンチをしのいだので、点を取ったら流れが来ると思った」と一気に試合の大勢を決めた。

冷静な読みが攻略につながった。打撃では相手の配球をしっかりと分析。「結構(クセが)出てました。配球を読んで、ホームランにできました」と仕留めた。守備では相手の精神を見極めた。中盤まではボール球を交えてじっくりとカウントを整えたが、見逃しストライク率が高まったことから強気な配球に変更。通常よりも球速が速く、反応が難しい全力ストレートでゴリゴリと押した。「甘い球も結構見逃していたので、2ストライクになったら全力ストレートで強気の配球にしました」とうなずいた。

かかる重圧を力に変えた。負ければ代表決定戦進出が遠のく一戦を「1番大事な試合を落とさない自信があった」と振り返る。たいじは世界的人気ゲーム「スプラトゥーン2」で世界王者の二刀流。11月4日に行われた「スプラトゥーン甲子園2019関東地区大会」でも優勝し、全国大会出場を決めたばかり。「この間の大会はハードルが高い中で優勝できた。自分はパワプロ初心者でも、(世界王者としての期待されて)ハードルが上がる。スプラトゥーンでも勝っていたのはプラスだった」と続く大舞台で、精神的なタフさが向上していた。

攻守に圧倒し、対戦相手の広島ゴジラも「今までパワプロをしてきて、ここまで打たれたのは初めての経験。たいじ選手を警戒しすぎた。節を重ねるごとに成長している。想像以上に力があった」と振り返るほどだった。

広島に2勝1敗で勝ち越し、直後に行われたDeNA-中日戦の結果、3位が確定。次戦のリーグ代表決定戦で2位広島と再びまみえる。ファーストステージ、ファイナルステージと勝ち抜けば、e日本シリーズ出場権をつかむ。チームメートの「ころころ」と「てぃーの」のサポートで成長できていると感謝し、「日本一を目指してやりたい。スプラも日本一をとって、パワプロでも取れたら最高ですね」と頂点へと突き進む。【島根純】