覚悟を決めて勝負を挑む。日本ハム平沼翔太内野手(21)が来季、ポジション奪取の狙いを遊撃手に定めた。新調したオレンジ色のグラブには「遊撃手」と刺しゅうを入れ、目指す場所は1つ。近年は中島が守ってきた不動の位置に、果敢に割って入る。

勝負の年に定めていた今季は、悔しさを味わった。プロ1年目から、3年目を「節目」とし、自らに定位置奪取を厳命。今年1月には球界屈指の打撃センスを持つ近藤に師事し、鹿児島・徳之島での自主トレに参加した。ロングティーでは両足をつるアクシデントに見舞われながら、打力向上に励んだ。

6月の交流戦でプロ初安打を放つも、終わってみれば出場7試合。次代の遊撃候補として期待されながら、チャンスをつかみきれず、早々に2軍に降格した。「全然、満足いくシーズンではなかった。ダメダメでした」。敦賀気比ではエース兼4番でセンバツ優勝も、プロでは多くの挫折を経験してきた。

狙う遊撃には、守備力が売りの中島という壁が高くそびえ立つ。1発がある打撃力を磨くため、今オフは再び、近藤との合同自主トレに参加する。「もう両足はつりませんよ!」。4年目に向けて、負けん気の強いハートを燃やしている。【日本ハム担当 田中彩友美】