中日が来秋ドラフト上位候補の星稜・奥川恭伸投手(2年)を密着マークすることが30日、分かった。同校OBの音重鎮スカウトを北信越担当に配置転換することが判明。ドラフト1位で獲得した大阪桐蔭・根尾に続く、スター候補の指名に備える。

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中日が次なる「金の卵」の指名に向け、早くも動いていた。来秋ドラフト上位候補の星稜・奥川恭伸投手(2年)を密着マークするため、万全の態勢を整える。来年の北信越担当に、星稜OBの音重鎮スカウトを中四国から配置転換することが判明。「奥川シフト」には最適の人物だ。

近年のドラフト戦略は、東海エリアを重視する地元志向を鮮明に打ち出している。北信越エリアはそれに次ぐ重要地域だ。星稜は往年のエース小松辰雄氏の母校でもあり、中日ファンのなじみも深い。甲子園で高い能力を見せた奥川に、熱視線を注ぐのも自然の流れと言える。今年10月のドラフト会議では大阪桐蔭の根尾昂内野手を4球団競合の末、指名に成功。春季キャンプを控え、すでにフィーバーは過熱している。その裏で、竜スカウト部門の再編に着手していた。

奥川は最速150キロを誇る本格派右腕。「来年のドラフトは大船渡の佐々木投手(朗希=2年)の評価が1番だろう。今年同様にドラフト戦略は難しい」と球団首脳は話す。チームには小笠原や藤嶋といった若手の有望株がいるが、先発ローテーション定着には至っていない。打の根尾、投の奥川は中日再建の目玉になる。

また岩瀬獲得の実績がある前1軍投手コーチの近藤真市氏(50)が東海地区担当スカウトに復帰。今季限りで現役を引退した野本圭氏(34)も音スカウトの後釜に中四国担当として派遣する方向だ。地元東邦のスラッガー石川昂弥(2年)も上位候補にリストアップ。スカウトを増強し、逸材発掘に全力を注ぐ。【伊東大介】

 

<奥川恭伸(おくがわ・やすのぶ)のアラカルト>

◆生まれ 2001年(平13)4月16日、石川県生まれ

◆球歴 宇ノ気(うのけ)小3年から宇ノ気ブルーサンダーで野球を始め、宇ノ気中では軟式野球部に所属。全国中学校軟式野球大会で優勝を果たした。星稜では1年春からベンチ入り。今年は春夏連続で甲子園に出場した。

◆U18日本代表 今夏のアジア選手権で根尾らとともにプレー。2年生では唯一の選出だった。

◆最速150キロ 今夏の甲子園1回戦・藤蔭戦で計測。開幕戦でOB松井秀喜氏が始球式を行った直後に登板。“ゴジラパワー”で自己最速を3キロ上回った。

◆10連続K 秋季北信越大会準々決勝・松本第一戦で、初回から4回の先頭打者まで10者連続三振。最終的に13三振を奪って5回コールド勝ち。

◆サイズ、タイプ 183センチ、82キロ。遠投110メートル。50メートル走6秒5。右投げ右打ち。