新元号の初代王者は矢野阪神だ! 阪神矢野燿大監督(50)が9日、新年のあいさつのため、球団首脳とともに大阪市北区の日刊スポーツ新聞社を訪れ、橘尚雄代表取締役社長らと懇談した。5月1日に平成から新元号に変わる記念すべき就任1年目。新元号初戦の広島戦(甲子園)はもちろん、「全部、勝ちたい」と最下位から14年ぶり優勝を目指す決意を明かした。今年の漢字は「喜」。猪突猛進、御堂筋パレードで歓喜のビールかけを目指す。

今年は日本の歴史が動く1年だ。天皇陛下の退位が近づき、間もなく平成が終わる。4月1日に新元号が発表され、新天皇が即位する5月1日午前0時に改元される。チームは平成最後の4月30日と、新元号初日の翌5月1日に、4連覇を目指す広島と甲子園で相まみえる。日本が祝賀ムードに包まれる新元号初戦を快勝発進したいところだが、矢野監督の夢は大きかった。「その1日だけでなく、全部勝ちたいですよ」。新元号元年の初代王者、日本一こそ、究極の目標だ。

阪神は平成で2度のリーグ優勝に輝いたが、1度も日本一を達成できず、昨年は17年ぶりの最下位に沈んだ。だが今オフは精力的に補強を敢行。先発候補で西とガルシア、野手では4番候補のマルテらを獲得し、戦力は厚みを増した。矢野監督も「計算が立つ意味では、投手陣に成績を残している西とガルシアが入ってくれたのは安心材料」と手応え十分。その上で「チームを動かすのは若手の伸び。望月や才木らもヤル気になっているし、能力も高い」とブレークを期待した。

この日は温和な笑みを絶やさなかったが、グラウンドでは勝負師に徹する。思い出されるのが17年4月4日、京セラドーム大阪でのヤクルト戦だ。死球を巡って乱闘になると、コーチだった矢野監督がバレンティンに跳び蹴りで応戦した。「星野さんのもとで野球をやらせてもらったし、勝ちへのこだわりは強い。負けるもんかと思ってやっています」。熱い血をたぎらせて挑む「矢野元年」。秋は歓喜の涙涙で、御堂筋を埋め尽くしたい。