ソフトバンク武田翔太投手(25)が10日、福岡・春日市内で自主トレを公開した。テーマは「技・体・心」。技を磨くことを第一に考え、19年を戦い抜くフォーム作りに励んでいる。

武田は走り込みなどの肉体強化よりも、技術練習に時間を割いた。秋季キャンプでも使っていた自作の台や平均台を使い、長い棒を振ったりシャドーピッチングを繰り返す。ネットスローのあとにはマウンドに上がり、相手を座らせて投球練習もした。「体を作っても、体の使い方がうまくなかったら無意味。体の使い方を覚えてから、体を作るという流れにしたい」。昨季終盤から取り組んでいる、下半身を使わない意識で全身を連動させて投げる投球フォーム。それを身につける作業を徹底している。技、体が備われば心も付いてくる。武田は「メンタルが弱いという言われ方をする。ならどう強くすればいいのか。技術面が安定して、思うようにコントロールできるようになればメンタルも付いてくる」と力説した。

理想とするフォームはほぼ完成型だ。だが「誤差は出てくる。それをどうなおすか。波が出てきたときにそれをどうギュッと小さくしようか」。昨季は先発では3勝9敗。白星はすべて完封だったが「完封か炎上だった」と好不調の波を抑えられなかった。今は技を染みこませ、いかに安定してフォームを維持できるか。詰めの段階に入っている。「先発で1年通してやりたい。最低でも2ケタ。波のないようにやれば、結果は付いてくる」。技・体・心がそろったとき、巻き返しを図る19年版の武田が完成する。【山本大地】