「室伏道場」でタイトル総なめボディーだ! オリックス吉田正尚外野手(25)が21日、都内の東京医科歯科大で自主トレを公開。陸上ハンマー投げのアテネ五輪金メダリストで、現在は同大の教授でスポーツサイエンスセンター長を務める室伏広治氏(44)に3年連続となる弟子入りだ。昨年12月から2日間のメニューを3度実施。過去最長となる6日間の師事で打撃力アップをはかっている。

「今年はパワーアップするために早い段階からスタートした。去年143試合に出られたので、それを継続して、タイトルは取れるものは全部取りたい」

トレーニングは独創性あふれるものばかりだ。紙風船を両手で持ち、つぶさないよう力を込めることで体幹を鍛えるメニューは代表格。約7キロのハンマーを両サイドに垂らしたバーベルを担ぎ、揺らしながらコントロールする鍛錬など、室伏流のハードメニューを黙々とこなした。

プロ入り2年間は腰痛に悩まされ、17年オフに手術を受けた。昨年まではリハビリ中心メニューだったが、今回は胸椎周りの柔軟性を保ちつつ、周辺の筋力増に努めている。室伏氏は「上体が柔らかい上に筋力がつけば腰の負担も少なく、飛距離を伸ばせる可能性も出る」と説明。吉田に望むタイトルについて「いただけるタイトルは全部取ってもらいたい」と指令した。

吉田は20年の東京五輪にも意欲をみせた。同大会から野球が復活。「五輪は小さい頃に見ていた。東京でやりますし、選んでいただける成績を残したい」。東京五輪の理事を務める室伏氏も「ぜひチャンスをものにしてやってもらいたい」とエール。鉄人エキスを吸収し、侍でも大暴れする意気込みだ。【古財稜明】

◆吉田正と室伏氏 きっかけは吉田正からの“ラブレター”だった。ルーキーイヤーの16年オフ、人気番組「筋肉番付」で他競技の一流選手をスピードとパワーで圧倒する室伏氏の姿を見て感動。「すごいアスリート。いずれは会って話を聞ければと…。実現できればいいですね」と思いを募らせた。面識はなかったが、室伏氏宛てに直筆の手紙を送ったことで異例の弟子入りが実現。パワフル打撃を売りとする吉田の原動力となっている。