06年に廃部した社会人、シダックス野球部のOB会が3日、都内で行われた。

元GM兼監督の野村克也氏(83)をはじめ同社の取締役最高顧問・志太勤氏(84)や当時の選手、後援会員、マスコットガールなど約30人が集まり、旧交を温めた。

現在は学生野球の指導者になっている「野村チルドレン」も集結した。昨秋に大学日本一に輝いた立正大・坂田精二郎監督(44)は、志太最高顧問から優勝祝賀品に「志の鐘」を贈られた。坂田監督は「シダックスで野村さんに3年間教わって、それがあったから日本一になれたのかなとあらためて感じています」と感謝した。

昨年、甲子園に春夏連続出場した中央学院(千葉)の相馬幸樹監督(39)や、甲子園初出場を目指す昌平(埼玉)の黒坂洋介監督(43)らも、恩師たちへの御礼と飛躍への決意を口にした。

野村氏はあいさつで「久しぶりに昔を懐かしんでおります」と切り出し、当時の思い出を語った。「アマの監督とプロの監督を両方やったのは、私くらい。監督の立場に立ったら、言葉はいらない。考えていること全てが選手に伝わる」と“ノムさん節”は続き、教え子たちは聞き入っていた。「年には勝てないけれど、もういっぺんアマチュア野球をやってみたいという思いはあります。志太さん、どうですか? もう1回やりましょうよ」と提案するなど、会を盛り上げた。

最後は「余計な話をしてしまったけれど、長く話していてもしょうがない。年とった証拠です」と言うと、当時のマネジャーの名前を呼び「(自分の話を)止めてくれ!」と一喝。会場は大爆笑に包まれ、お開きとなった。【金子真仁】