楽天ドラフト1位の辰己涼介外野手(22=立命大)が「断酒」でルーキーイヤーを駆け抜ける。

キャンプ初の休日だった5日、高卒3人を除く新人7人で久米島の泡盛「久米仙」工場を見学。敷地一帯に豊潤な香りが漂う中での試飲に「おいしい」と笑顔を見せた。

今年に入ってアルコールを口にするのは初めて。そして「今シーズンは、基本的には飲むつもりはないです。筋肉に影響とかもするらしいので。好きなんですけど、今の僕は飲むべきではないのかな」と続けた。ストイックにプロで戦う体づくりを優先する考え。キャンプ中やシーズンが始まれば外食の機会も増えるが「(飲むのは)水で。水が一番好きなので」と徹底していく。

6日から始まる第2クールでは、打撃投手として登板するチームメートとの対戦をはじめ、実戦的なメニューが入ってくる。シートノックでは昨季新人王の田中とともに中堅を守ってきたが、右翼起用の構想もある。「個人的には中堅が好きです」とした上で「中堅なら足を生かせる。右翼なら肩を生かせる。自分の立場を確立していって、チームに必要とされる選手になっていかないといけない」と貪欲に話す。

細身の体に秘めたパンチ力。遠投125メートルを誇る抜群の強肩。「生まれてから緊張したことがない」というタフなメンタル。随所でドラ1の片りんを見せてきたが「投げること、走ることはケガも怖いので少し抑え気味。ここから徐々にギアを入れていって、ちょっとずつ上げていきたい」とクールに第1クールを振り返りつつ、さらなるアピールを誓う。レギュラーを取り、チームの優勝に貢献したあかつきには、この日「勝利のつぼ」に注いだ泡盛でお酒を解禁する。【亀山泰宏】