立つんだジョー! DeNAの4年目右腕・田村丈(26)が宜野湾キャンプ第2クール初日の7日、初のシート打撃に登板した。

3人目、神里を185センチから繰り出されるフォークで空振り三振。未来の4番候補の細川に対しては、この日最速の145キロ直球で見逃し三振のKO。「1軍打者の人にも、空振りが取れたことは自信になります」と落差のある“ジョーク”とこん身の右ストレートで存在感を示した。

リングで輝くため、ジョーは尻を下げた。15年育成3位で入団し、昨年7月に支配下登録された苦労人。2ケタの背番号を手にする前に、力を最大限に伝える投球フォームに改善した。「お尻から降りるイメージで投げていたら、自然とひねっていました。野茂さんを意識したとか言われるんですけど、偶然です」。振りかぶってから、少し体をひねる“プチトルネード”投法で、最速は3キロアップの151キロに到達した。

往年の人気漫画「あしたのジョー」ではなく、「丈夫に育ってほしい」という両親の願いで付けられた名。言葉通り「けがしたことはないですね」。スクワットも220キロを上げる頑健さがある。昨季は1試合登板でシーズンを終えた。「今年は最低でも30試合以上は投げたい」と明日を見据える。真っ白に燃え尽きるまで-。ジョーのラウンドは、始まったばかりだ。【栗田尚樹】