慶大(東京6大学リーグ)のドラフト候補2人が、大学最後の1年に新たな挑戦をしている。

リーグ戦通算85安打の柳町達外野手(3年=慶応)は、今季は内野手になる。27日、横浜商大とのオープン戦初戦で「2番三塁」でスタメン出場した。慣れ親しんだ「3番中堅」ではなかった。それでも適時三塁打を含む猛打賞。視察した日本ハム、ヤクルトのスカウトの前で、適応能力の高さを示した。大久保秀昭監督(49)の構想では、1~3番のいずれかに入る予定だ。柳町も「今年は内野手で、です。打撃も守備も、いろいろなことをやるのだと思います」と心の準備はバッチリ。「通算100安打も、春のリーグ戦で達成する勢いで打ちたい」と話した。

同じくプロ注目の郡司裕也捕手(3年=仙台育英)は5回無失点でリードを終えると、6回からミットを一塁手用にはめ替えた。「まだゴロが怖いです。防具がないので怖いです」と笑った。公式戦では一塁を守った経験はほとんどないという。それでも笑顔で投手を鼓舞し、内野手からの送球も難なくさばいた。

立大・藤野、東洋大・佐藤、東海大・海野など、今年は大学球界に好捕手がそろう。大学日本代表に選出されれば、複数ポジションを守る可能性もある。リードに定評がある郡司だが「一塁を練習すれば、フットワークも良くなると思いますし」と前向きだ。ファーストミットは仲間からのレンタル。「マイミット」は準備中だという。

試合は8-0で勝利。好スタートを切った。「いろいろな選択肢ができるように。緊急時にも困らないように」と大久保監督。昨年は逃した春秋連覇へ向け、ドラフト候補たちもさらなる可能性を試されている。