広島ドラフト1位小園海斗内野手(18=報徳学園)が5日、巨人とのオープン戦で本拠地デビューする。3日西武戦で1号を放つなど実戦でも猛アピールを続けて、1軍に同行し続ける。4日はマツダスタジアムを訪れ、荷物整理。どれだけ称賛の声が届いても、黄金新人は冷静に「開幕1軍」だけを見つめている。

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周囲の盛り上がりをよそに、18歳の小園は冷静だ。「昨日のことは昨日のこととして、明日からまた切り替えて頑張りたい」。3日、西武とのオープン戦では左腕武隈から右翼席へプロ第1号。高卒新人では13年の日本ハム大谷(エンゼルス)以来となるオープン戦本塁打をメディアは大きく取り上げ、知人からの連絡も殺到した。だがどれだけフィーバーが熱を帯びても、掲げた「開幕1軍」という目標はブレずに、目の前の試合に集中していく。

「高校までは負けたら終わりなので一瞬、一瞬でやってきた。でもプロだとずっと戦わないといけない。一瞬一瞬では意味がない。続いていけるようにやっていきたい」

好結果にもおごらず、常に前を向いてきたからこそ、今も1軍に残っている。1軍でも見劣りしない動きと実戦で物おじしないプレー。そして自ら残した結果で、当初は1次キャンプまでだった1軍同行を今も続ける。前評判の高かった守備だけではない。オープン戦打率5割7分1厘と実戦向きの打撃でもアピールしている。

巨人吉村打撃総合コーチとは、15年U15日本代表でともに戦った。わずかな期間ではあったが「プロとしてお会いして、頑張っていることを報告できればいい」と意気込む。今度は敵味方となり同じグラウンドになり、成長した姿を見せたい。

中学から高校での成長とは、ひと味違う姿を見せられると信じている。春季キャンプから1軍に同行し、今もなお成長を続ける。「本拠地なので、早くプレーしたい」。表情にも自信がみなぎる。遊撃には絶対的レギュラーの田中広がいるだけに、1軍生き残りは厳しい状況だが、18歳は前を向く。これまでと同じように、自らの力で可能性を切り開いていくつもりだ。【前原淳】