2軍の千葉・鎌ケ谷で腕を磨く若手や、ケガで調整中の注目選手たちなどの近況を報告します。

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日本ハム初の育成ドラフト選手・海老原が、先輩たちから粋な計らいを受けた。「みなさん優しいです」。今月2日、札幌ドームでの出来事。支配下登録選手ではないため、メーカーから道具の支給が少ない自分に、主将の中田ら主力選手たちがバットをプレゼントしてくれた。

188センチ、92キロと恵まれた体格から放たれる打球のスピードと飛距離は、1軍クラスでもヒケを取らない。2月16日に沖縄・国頭で行われた1、2軍合同の紅白戦では、いきなり2安打。翌17日には阪神との練習試合にもスタメンに抜てきされた。

今月3日には、DeNAとのオープン戦で札幌ドームでもデビュー。安打は生まれず、「甘いと思って振りにいった球も、手元で伸びてくるなと感じた。とにかく甘い球を1球で仕留めないといけない」と厳しさも感じているが、三嶋ら1軍レベルの投手との対戦は、貴重な経験になっている。

肌で感じたのは、プロ投手の高いレベルだけではない。「(自分たち選手は)北海道に愛されているんだなと思った」。緊張であまり記憶はないが、地元スタンドがつくりだす雰囲気は心地よかった。「バットが折れるからといって、当てに行くような打撃をしたら良くない。折れるくらい思い切り振って結果を残す。自分は育成ですし、1打席1打席が大事になってくる」。譲り受けたバットを振り込み、本拠地でまた先輩たちとプレーする。【山崎純一】