来秋ドラフト候補の近大・佐藤輝明内野手(2年=仁川学院)が7日、兵庫・西宮市内の鳴尾浜球場で阪神とのプロアマ交流戦に4番三塁で先発出場した。先制の適時二塁打を含む4打数2安打1打点だった。

「飛距離が持ち味」という佐藤はフリー打撃で3連発を含む柵越えを量産。4球団のスカウトだけでなく、阪神ナインも打球の行方を食い入るように見つめるなど、試合前から大器の片りんを見せつけた。佐藤は「スカウトの存在も気にならなかった。(阪神ナインも)見てるなー。くらいでした」という強心臓ぶりで試合に臨んだ。

初回から持ち味の長打力を披露。1死一、二塁から阪神先発・谷川の落ちる変化球を捉えて右中間へ適時二塁打を放ち、初回2得点の口火を切ると、6回には、阪神3番手・呂彦青の直球を詰まりながらも左前へ運んだ。小雨が降って冷え込むコンディションで「寒かった。いつもの感覚とずれてた。もう少しできました」と満足した様子は見せなかった。

昨秋関西学生リーグでMVP、ベストナインを獲得した大型内野手。昨年11月頃から「もっと本塁打を打ちたい」という思いから、YOUTUBEやSNSを活用してブライス・ハーパーらメジャーリーガーや、打撃練習の動画を参考に研究を重ねた。「ミートのポイントがよくなった」と非凡な打撃センスを磨いている。視察したヤクルト阿部健太スカウトは「振れる、飛ばせるというのが彼の魅力。なかなかいないタイプ」と太鼓判を押した。鞘師スカウトも「来年は(1位で)競合するかもしれない」と語った。

また、今秋のドラフト候補に挙がる谷川刀麻外野手(3年=星稜)も3番右翼で先発出場し3打数1安打を記録。ヤクルト阿部スカウトは「秋よりしっかり振れている。これから春も注目していく」と評価した。

チームは4-13で大敗した。

◆佐藤輝明(さとう・てるあき)1999年(平11)3月13日、兵庫県生まれ。仁川学院では甲子園出場なし。近大では1年春から中軸。2年時に大学日本代表入り。18年秋MVPとベストナイン獲得。リーグ通算7本塁打。187センチ、92キロ。右投げ左打ち。