2020年東京オリンピック(五輪)で金メダルを目指す稲葉監督が率いる侍ジャパンは、メキシコ代表に6-0で快勝し対戦成績を1勝1敗で終えた。若手主体で編成した日本は1回、4番に座った吉田正尚(オリックス)の満塁本塁打と田村(ロッテ)の適時打で5点を先制。原(ヤクルト)が先発して2回を1安打に抑え込むなど7投手が無失点でつないだ。
- メキシコに勝利し稲葉監督(左から4人目)はベンチ前でナインを出迎える(撮影・加藤哉)
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
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メ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
日 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | X | 6 |
【日】原、山本、田口、三上、森原、森、山崎
【メ】バレダ、F・ロドリゲス、レイエス、バルガス、リオス、アロ、アビラ
【本】吉田正(1回=満塁弾)
■稲葉監督の話 昨日負けていたので、しっかり切り替えてやろうと。本当に選手がよくやってくれた。みんなつないでいく意識を持って吉田正のアレに(満塁弾)。勝ちに大きくつながった。(吉田の満塁弾は)素晴らしい打球で打った瞬間「イケ~」と叫んだけれども普通に入っていましたね。投手も四球もなく持ち味を出して、しっかり抑えてくれた。いろんな反省点もあったし、たくさん収穫もあった2試合。今年の秋にはプレミア12もあるし来年には東京オリンピックで金メダルを取るという目標もある。選手はこれからしっかりシーズンを戦ってほしい。
■吉田正尚の話 (初回に満塁弾)良かったです。(無死満塁で打席に)来たな、という感じでしっかり自分のスイングをしようと思って打席に立った。(打ったのは2球目だった)初球立ち後れたので真っすぐ1本と思っていた。打てるところにボールがきたら、しっかり振ろうと思っていた。最高の結果になって良かった。(打順は4番に)いつもと変わらずに。しっかり自分の仕事をまっとうしようと打席に入った。(日の丸は)大学のとき以来だったけど、日の丸の重みを感じた。シーズンでアピールしてまた(侍ジャパンに)呼んでもらえるように頑張りたい。
- 1回裏日本無死満塁、右越え満塁本塁打を放つ吉田正(撮影・清水貴仁)
1回
【メキシコ】
日本の先発は原樹理
1番I・ロドリゲス 140キロのストレートに差し込まれ遊ゴロ
2番アギラル 140キロのストレートを捉えるも遊ゴロ。吉川尚が好守を見せる
3番V・メンドーサ 140キロのストレートを完璧に捉え左前安打
4番メネセス 初球の142キロのストレートを打ちに行くも中飛
【日本】
メキシコの先発は最速154キロ右腕バレダ
1番吉川尚 高めのストレートを中前安打
2番中村 2球目に吉川尚が二盗成功。フルカウントから四球を選び無死一、二塁
3番近藤 フルカウントから変化球を見送り四球。無死満塁
4番吉田正 真ん中低めのストレートを完璧に捉え右翼席に満塁本塁打!日本が幸先良く4点を先制
5番上林 三振
6番大山 2球目を左翼へ特大ファール。フルカウントから外角の変化球を見送り四球で出塁
7番村上 2球目に大山が二盗成功。その後、外角のストレートに空振り三振
ここでメキシコは2番手F・ロドリゲスが登板
8番田村 147キロのストレートを捉え中前安打。二走村上が生還し追加点、5-0
9番野間 カウント2-2から低めの変化球を打ち上げ遊飛
- 日本対メキシコ 日本先発の原(撮影・狩俣裕三)
- 日本対メキシコ メキシコ先発のバレダ(撮影・狩俣裕三)
- 1回裏日本無死満塁、吉田正は右越え満塁本塁打を放つ(撮影・加藤哉)
- 1回裏日本無死満塁、右越え満塁本塁打を放つ吉田正尚(撮影・清水貴仁)
- 1回裏日本2死二塁、中前適時打を放つ田村龍弘(撮影・清水貴仁)
2回
【メキシコ】
5番フアレス 三ゴロ。大山が華麗にさばく
6番B・エルナンデス フルカウントから内角のシュートに差し込まれ遊飛
7番ペレス 内角直球にバットが折れる。三遊間の小フライとなるも吉川尚が逆シングルでさばき3アウト
【日本】
1番吉川尚 2球目のツーシームを引っかけて二ゴロ
2番中村 内角高めの直球を見送り四球
3番近藤 2球目に中村が二盗成功。フルカウントから落ちる変化球に空振り三振
4番吉田正 カウント3-1から高めの変化球を見送り四球。2死一、二塁
5番上林 外角のツーシームを打ちに行くも遊ゴロ
- 日本対メキシコ 2回表メキシコ2死、打者ペレスの打球を好捕し、ジャンピングスローでアウトにする吉川(撮影・狩俣裕三)
- 2回表メキシコ2死、フェルナンド・ペレスの打球を好捕しアウトにする遊撃手吉川尚(撮影・清水貴仁)
3回
【メキシコ】
この回から日本の2番手で山本が登板
8番ロペス 150キロのストレートに差し込まれて右飛
9番カリージョ 遊ゴロ。吉川尚はこの試合5度目の守備機会も無難にこなす
1番I・ロドリゲス ここもストレートに差し込まれ遊ゴロ。しかし吉川尚の送球がわずかに逸れて出塁(記録は失策)
2番アギラル フルカウントからストレートを捉えるも遊ゴロ
【日本】
6番大山 カウント0-1から膝付近に死球を受ける。一塁に進むもベンチに下がる。大事を取ってか代走に大城が起用される
7番村上 内角の変化球に差し込まれ二飛。しかし弾道は素晴らしく、和製大砲の片りんを見せた
8番田村 2球目に代走大城が二盗に成功。その後、外角の変化球を空振り三振
9番野間 外角の変化球を引っかけて一ゴロ。快足を飛ばすも間一髪アウト
- 日本対メキシコ 3回から2番手で登板し力投する山本(撮影・足立雅史)
- 3回裏日本無死、大山は死球を受ける(撮影・加藤哉)
4回
【メキシコ】
代走の大城がそのまま三塁に入る
3番V・メンドーサ ストレートにバットが真っ二つ。一ゴロとなり村上が難なくさばく
4番メネセス 直球を捉え右中間へ二塁打。2戦合計5安打目と好調
5番フアレス 初球の変化球を捉え三遊間を破る。1死一、三塁
6番B・エルナンデス カウント2-2からフォークに空振り三振
7番ペレス カウント2-2からまたもフォークに空振り三振。山本がピンチを脱した
【日本】
この回からメキシコの3番手でレイエスが登板
1番吉川尚 外角の変化球を打ち上げ左飛
2番中村 捉えるも三塁手が好捕、三ゴロ
3番近藤 真ん中付近のストレートを見事に捉え左前安打。近藤らしい芸術的な打撃を見せた
4番吉田正 カウント1-2から近藤が二盗を試みるも失敗
- 4回表メキシコ無死、メネセスは右越えに二塁打を放つ(撮影・加藤哉)
- 4回のピンチを無失点に抑え笑顔でベンチに戻る山本(撮影・清水貴仁)
5回
【メキシコ】
この回から日本の3番手で田口が登板
8番ロペス 二塁ベース付近への打球に二塁手中村が追い付く。しかし送球できず内野安打
9番カリージョ 低めのストレートを捉え左前安打。無死一、二塁
1番I・ロドリゲス フルカウントから決め球のスライダー。注文通りの6-4-3の併殺打
2番アギラル 2死三塁から見逃し三振でピンチを脱する
【日本】
この回からメキシコの4番手でバルガスが登板
4番吉田正 真ん中付近の直球を捉え中前安打。火を吹くような強烈な打球
5番上林 フルカウントから真ん中付近の直球に空振り三振。さらに吉田正が二盗を試みるも失敗となり、2死走者なし
6番大城 空振り三振。日本はこの回も走者を出すも無得点
- 日本対メキシコ 5回から登板する田口麗斗(撮影・清水貴仁)=2019年3月10日、京セラドーム大阪
6回
【メキシコ】
この回から日本の4番手で三上が登板
3番V・メンドーサ カウント2-1からストレートを捉え中前安打
4番メネセス 変化球を引っかけ三ゴロ。併殺となりで2死走者なし
5番フアレス 外角の変化球を中前安打に。野間がスライディングキャッチを試みるも、わずかに届かず…
6番B・エルナンデス 捉えたのはボール球も上手く右前へ運ぶ。一塁走者が巨漢を揺らしながら激走を見せ2死一、三塁
7番ペレス 高めのストレートに差し込まれ遊飛。ピンチで三上が粘りの投球
【日本】
この回からメキシコの5番手でリオスが登板
7番村上 膝元の変化球に手を出し、空振り三振
8番田村 高めのストレートを捉えるも右飛
9番野間 低めの変化球を引っかけて一ゴロ
- 日本対メキシコ 6回に登板する三上朋也(撮影・清水貴仁)=2019年3月10日、京セラドーム大阪
- 6回表メキシコ2死、フアレスの打球に中堅手野間が滑り込むも落ちて安打となる(撮影・清水貴仁)
7回
【メキシコ】
この回から日本の5番手で森原が登板、捕手に甲斐が入る
8番ロペス カウント1-2からフォークに空振り三振
9番カリージョ ストレートに差し込まれ遊ゴロ。吉川尚が華麗にさばく
1番I・ロドリゲス 三ゴロに仕留め3アウト。森原は最速151キロのストレートを武器に華々しい侍デビューを飾った
【日本】
この回からメキシコの6番手でアロが登板
1番吉川尚 外角の速球を打ち損じるも三塁内野安打で出塁
2番中村 2球目のツーシームが抜けて左肘に死球。無死一、二塁
3番近藤 内角のストレートを捉えるも中飛。二塁走者の吉川尚は三塁へ進塁
4番吉田正 真ん中付近のストレートを捉え左飛。三塁走者の吉川尚が生還し、初回以来の得点
5番上林 初球を打ち上げ捕飛
- 日本対メキシコ 7回表から登板する日本5番手の森原(撮影・狩俣裕三)
- 日本対メキシコ 7回表を抑えた森原(左)と笑顔で握手を交わす甲斐(撮影・狩俣裕三)
- 7回裏日本1死一、三塁、左犠飛で追加点をあげる吉田正(撮影・清水貴仁)
8回
【メキシコ】
この回から日本の6番手で森が登板
2番アギラル 初球のストレートを完璧に捉えるも右飛
3番V・メンドーサ 内角高めのカットボールを二ゴロ。森は宣言通りにバットを粉砕した
4番メネセス 変化球を捉えるも遊ゴロ
【日本】
この回からメキシコの7番手でアビラが登板
6番大城 カウント2-2から内角高めのボール球に手を出し空振り三振
7番村上 打席前に稲葉監督から助言を受ける。真ん中付近の変化球を捉え左前安打。代走に京田が起用される
8番甲斐 外角低めの変化球に思わずバットが離れる。空振り三振となるも、京田は二盗に成功
9番野間 初球を打ち上げ左飛
- 8回に登板する森(撮影・清水貴仁)
- 8回裏日本1死、村上は左前打を放つ(撮影・加藤哉)
9回
【メキシコ】
この回から日本の7番手で山崎が登板 代走の京田が遊撃、吉川尚が二塁、中村が一塁
代打アマダー 一、二塁間に打球が飛ぶも吉川尚が華麗な守備を見せる
6番B・エルナンデス 147キロのストレートに空振り三振。山崎は気迫を存分に出す投球を続ける
7番ペレス フルカウントから146キロのストレートに空振り三振。日本が6-0で勝利し、9日のリベンジを果たした
- 日本対メキシコ 9回から登板する山崎(撮影・足立雅史)
- メキシコに勝利しマウンドでハイタッチする山崎康ら日本ナイン(撮影・加藤哉)
試合後
- 試合後、フィロバ監督(右)と握手する稲葉監督(撮影・加藤哉)
- 日本対メキシコ お立ち台で「マッチョポーズ」を披露する吉田(撮影・足立雅史)
- 日本対メキシコ メキシコに勝利しファンの声援に応える稲葉監督(撮影・足立雅史)
- 日本対メキシコ 山崎(左)はヒーローインタビューを終えた吉田をスマートフォンで撮影しながらタッチで迎える(撮影・足立雅史)