プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの新潟は11日、ハードオフ新潟の室内練習場で練習を行った。

昨季に続いて主将に就任した楠本歩内野手(25)がまとめ役を務めている。個人の目標を今秋のドラフト指名に挙げながら、チーム目標の12年以来の独立リーグ日本一に向けて統率する。

率先して動く。雨のため、屋内での練習になったこの日、楠本はメニューごとに清水章夫監督(43)や副主将の宮沢直人捕手(25)と話しながら、準備を行った。チームメートにも指示を出し、全員で取り組む。「練習の雰囲気はいい。活気がある」。9日から始まったキャンプでチームの明るさを感じた。

今季が入団3年目で主将は2年連続。昨季は1人で抱え込む時もあった。今季は宮沢のほか、投手陣は中西啓太(26)が主将、長谷川凌汰(23)が副主将とまとめ役を設けた。在籍3年目以上の選手と話し合って決めるなど周囲に協力を求めた。地元岡山の中洲小、倉敷西中では主将、岡山城東高、筑波大では副主将だった。もともとリーダーシップがある。

「独立リーグ優勝に向けて、あきらめずに戦う」。7日の必勝祈願でチームメートとともに誓った。新潟が独立リーグ日本一になったのは12年、最後に東地区プレーオフに進出したのは15年。その後の3年間はレギュラーシーズンで敗退している。昨季も東地区(5球団)で前後期とも3位に終わった。17年入団の楠本もプレーオフを経験していない。「それぞれが目標を掲げ、全員が同じ方を向いて戦う」。目標達成へ、まずチーム一丸を大切にする。

その上で個人的に狙うのが今秋のドラフト指名だ。「プロ入りが、より鮮明な目標になった」。内外野を守れる対応力と、勝負強い打撃、走塁が武器。今季は打順は3番、守備は二遊間に定着を目指す。いずれもプロへのアピールを意識してのもの。そのためにも「チームに貢献しなければならない」。独立リーグ制覇を手段に、ドラフト指名を-。今季を勝負の年と位置付けた。【斎藤慎一郎】

◆楠本歩(くすもと・あゆむ)1993年(平5)12月17日生まれ、岡山県出身。岡山城東高では2年秋からベンチ入りし、3年の夏の県大会は2回戦敗退。1年浪人して筑波大に進学。大学では内野のほか右翼なども守った。17年に新潟に入団。昨季は打率3割2分8厘、1本塁打、32打点。174センチ、75キロ。右投げ左打ち。主に二塁と遊撃を守る。背番号32。