ヤバイほどの魅力を示した。ヤクルト塩見泰隆外野手(25)は得点圏の走者になると、輝きが増した。

3回1死、右前打で出塁し、二盗に成功。続く広岡の高い打球に、ロッテの中堅手藤原が惑うのを見逃さなかった。風に押し戻され、打球が落ちると三遊間から加速した。走らないと踏んだ相手の、緩慢な中継プレーの間に一気に本塁に突入。5点目をもぎ取り「足が速いだけが走塁じゃない。ベースワークや状況判断。常に次の塁を狙う気持ちでいる」と胸を張った。

高い修正能力がキラリと光る。前日12日のロッテ戦の8回に盗塁死。「僕は足の選手。絶対にやってはダメ」と2号ソロの喜びも吹き飛ぶほど猛省した。この日の試合前はスライディングを重点的に練習。強く、速く、塁に右足を突き刺す感覚を刻んだ。「取り返すチャンスが来て、すぐにできたのは良かった」と積極的な走塁で結果を残した。

小川監督も「あきらめずに走るからコーチャーは回せる。自分で(三塁ストップの)判断をしたら回せない」と評価。常々「ウチにはスペシャリストはいない」と話す中、足の切り札として信頼を積み上げる。青木、雄平、バレンティンに続く第4の外野手から定位置争いへ。塩見は「いつも準備を整えるだけ」と足元を見つめた。【島根純】

▽ヤクルト河田外野守備走塁コーチ(塩見について)「今日のスライディングは合格。ウチは快足といえば(山田)哲人くらいしかいなかったけど、塩見がいてくれると大きい。機動力に関してものすごく大きい」