阪神大山悠輔内野手(24)が3日ソフトバンク戦以来となるオープン戦2号2ランを放った。

4番三塁で出場し、2回に中前打を放つと、4回、1死二塁から中日吉見の初球スライダーを強振。中堅左横に豪快アーチを突き刺した。大山は「ホームランどうこうではなく自分のいい点(ポイント)で打てました」と納得。矢野阪神の4番候補が上昇の予感だ。

チームでただ1人、先日のメキシコ戦に向けた侍ジャパンのメンバーに選出された。だが、10日の試合で左ひざ裏に死球を受け、負傷交代した。チームに再合流した12日の中日戦は試合前にチームのトレーナーらのチェックを受け、途中出場。影響が心配されたが、「足が痛いとか言ってる立場じゃない」と、ひと振りで不安をかき消した。

前日までのオープン戦打率は1割8分8厘。辛抱強く4番起用を続けた矢野監督も笑顔だ。「デッドボールぶつかってよくなったんじゃない? 足もよう動いてたで」と笑いつつ「いい意味で(侍ジャパンを)経験したものっていうのは何かこう伝わってくる感じはする」と、日の丸の経験がプラスになっていると目を細めた。

チームは2試合連続の2桁安打で快勝。チーム最年長福留も元気で、マルテはこの日初タイムリーと開幕に向けてクリーンアップ候補のエンジンがかかってきた。指揮官も「中軸がしっかりしてくれるというのはチームの安定感につながる」とうなずく。ただ、大山は「試合に出ている以上はしっかりと結果を出さないといけない」。帰りの車に乗り込むまで表情を緩めることはなかった。【桝井聡】