4年前に似た光景が力をみなぎらせた。巨人ドラフト1位高橋優貴投手(22=八戸学院大)が西武とのオープン戦に先発。昨季チーム打率12球団トップの「山賊打線」相手に5回2/3で自己最多の96球を投げ、4安打2失点にまとめた。

大学1年時以来となる西武多和田との投げ合いを制し、残り2枠の開幕ローテ入りへ歩を重ねた。

15年5月23日、青空の広がる青森県営球場。大学1年の高橋は北東北大学春季リーグ戦で、富士大4年で背番号18をつける多和田と投げ合った。「『なんだこの人は』って。ボールの質がえぐかったです」。自身9回2失点も、9回1失点の多和田にリーグ優勝を目の前で決められた。衝撃は間違いではなかった。西武からドラフト1位指名を受け「あのレベルの気持ち、技量にたどり着かなきゃいけないと思って4年間やってきた」と夢への道筋を示してもらった。

あれから4年。プロの舞台で再戦が実現した。「負けたくない思いもすごくありましたし、先にマウンドを降りてたまるかっていう思いもあった」。大学の先輩秋山も3打数無安打に封じた。「少しは自信にしていい部分はあるのかなと思います」。成長の跡は、オープン戦初勝利として表れた。【桑原幹久】