さぁ、日本一を取りに行こう!! 日本ハム栗山英樹監督(57)は「勝つしかない」と覚悟を持って今季に臨む。通算120勝の金子弌大投手(35)や「台湾の大王」こと王柏融外野手(25=台湾・ラミゴ)ら投打に充実した戦力補強をして臨む就任8年目のシーズン。既成概念にとらわれない斬新な選手起用も視野に入れながら、チーム一丸で3年ぶりの頂点を目指す。

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厳しい戦いを勝ち抜ける、頼もしい戦力が整った。栗山監督の気合も例年以上だ。「本当に今年は選択肢が多い。こちらが、その選択を見誤らないようにしたい」。打線のパターンは数知れず。投手起用の幅も広がっている。守り勝つことも、打ち勝つこともできる。育成選手を含めた71選手の能力を集結させれば、変幻自在の戦い方が可能。あとは、球界屈指の知将の腕の見せどころだ。

打線のバリエーションは豊かだ。西川、近藤、中田を軸に、新加入の王柏融やオープン戦好調の大田が脇を固める。打順は固定せず、さまざまな形を試した。誰が、どんな役割となっても持ち味を発揮できる下準備は完了。複数ポジションを守れる選手も多い。新三塁手として誰を抜てきしていくかも含め、栗山監督の選択肢は無数にある。

投手陣も各ポジションに軸がいる。先発では上沢に加え、実績十分の金子がローテ入り。故障離脱中のマルティネスも安定感は抜群だ。ブルペンの大黒柱の宮西も健在。成長中の若き守護神、石川直の存在も大きい。実力が伯仲することで、今までにない考え方の専門的な役割や起用法も視野に入る。数々の斬新なアイデアを実行してきた指揮官なら、日本球界に革命を起こすような戦略を見せてくれるかもしれない。

3年ぶりのリーグ優勝と日本一を達成するために「選手が持っている能力を引き出す環境をつくる」と宣言する。周囲の期待も、ひしひしと感じている。「ファンのみなさんはワクワクしている。こちらは重圧もかかるけど、勝つしかない」と覚悟は決まった。今季掲げたチームスローガンは「驀進」。チームの総力を結集し、一丸となって勢いよくまっしぐらに頂点へ突き進んでいく。【木下大輔】

◆栗山監督の開幕戦成績 就任1年目の12年から昨年まで、7年間で4勝3敗。12年は2年目の斎藤を開幕投手に抜てきして監督就任初白星。続く13年は新人・大谷が、デビュー戦で初安打&初打点の活躍を見せた。14、15年も勝っているが、以降は昨年まで3連敗中。