ドキドキの今季初アーチだ! 阪神糸井嘉男外野手(37)が初回にチーム1号となる特大の先制ソロを放った。右翼ポール際へのアーチは「ドキドキした」と、リクエストによるリプレー検証で待たされたが、当初の判定通りホームラン。チームも虎の子の1点を守りきり、4年ぶりの開幕2連勝とアゲアゲ。セ界単独トップに躍り出た!

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糸井が京セラドームを総立ちにさせた。0-0で迎えた1回2死走者なしの場面。ヤクルト石川の初球カーブをつかまえた。「タイミングが合ったら初球からどんどんスイングしていこうと思っていました」。高々と舞い上がった打球は右翼ポール上空を通過し、5階席に突き刺さった。ホームランか、ファウルか-。ヤクルト側からリクエストが要求されたが、結果は判定通りの本塁打。初回からボルテージは最高潮だ。

冷静にダイヤモンドを一周した糸井だが、内心は「ドキドキしました」。ベンチで心臓バクバクのジェスチャーをして喜びを表現すると、ナインからもみくちゃにされた。両手を合わせて祈った矢野監督も「嘉男の動きを見ているとファウルかなと一瞬、思ったけど。心配していたけど、ホームランで良かった」とスマイルでガッツポーズだ。

ベンチで笑顔の超人もグラウンドでは野獣のように目をぎらつかせる。四球で出塁した6回にはアウトになったが、盗塁を試みた。同じく四球で出塁した8回にも二盗を狙った。ボークで盗塁は記録されなかったが、果敢な姿勢を見せた。今春キャンプでは毎日200メートル走のノルマを自身に課すなど、走り込みにも重点を置いた。初動負荷トレーニングを取り入れ、衰え知らずのボディーが完成。通算300盗塁まであと12と射程圏内だ。

岩貞とともに今季初のお立ち台に上がった糸井は、スタンドを埋め尽くす虎ファンに呼びかけた。「もちろん、みんな優勝目指して頑張ってます。大きな声援が力になります。応援よろしくお願いします」。4年ぶりの開幕2連勝でカード勝ち越しが決定。まだ始まって2試合だが、土つかずでセ・リーグ単独トップ。もう、期待せずにはいられない。【桝井聡】