楽天の「タナモギ」コンビが、5連勝&球団史上初となる本拠地開幕3連戦3連勝の突破口を開いた。1回に1番田中和基外野手(24)が中前打と二盗でチャンスメークすると、2番茂木栄五郎内野手(25)が適時二塁打。わずか12球、電光石火の先制劇で一気に流れを引き寄せ、今季初の2ケタ得点を呼び込んだ。

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その瞬間、2人の思考がシンクロした。田中を一塁に置き、カウント2-2からの茂木への5球目。「ボールゾーンにフォークを落としてくる」。日本ハム斎藤の勝負球を読み切った田中がスタート。茂木は自信を持って見送った。リードオフマンの今季初盗塁で茂木の腹は決まった。「(フルカウントで)フォークはない。頭の中を整理できた」。直球を右中間にはじき返した。「ショート・スターター」起用の斎藤相手だっただけに、田中は「相手が短いイニングと分かっていた。早い段階で点を取れて良かった」とうなずく。

「(田中)和基と(茂木)栄五郎が2人で1点を取ってくれた」と平石監督の口角も上がった。昨季監督代行就任時に1、2番で固定したのが「タナキク」ならぬ「タナモギ」の始まりだった。3番に浅村が座り、昨季2人の後ろを打った島内が4番に。田中は「塁に出ることが大事」と強調し、茂木が「(1回は)1、2番でいい形で浅村さんにつなげられた」と振り返ったように、昨季リーグ打点王が控えることで、出塁への意識はより高まった。

大勝にも田中は「その後、2人でゼロですからね」と第2打席以降の反省を忘れなかった。浅村が早くもポイントゲッターぶりを発揮し始め、島内、ウィーラー、銀次がそろって好調をキープしている。立大から16年ドラフト3位の田中と早大から15年ドラフト3位の茂木。東京6大学出身の2人にかかる、チャンスメークの期待は高まる一方だ。【亀山泰宏】