日本ハムのジョニー・バーベイト投手(26)が来日初先発で初勝利を挙げた。ストライク先行で打たせて取るスタイルを展開。走者を背負っても落ち着いて切り抜けるなど、ロッテ打線から凡打の山を築いた。5回を69球で投げきって2安打無失点の好投。チームに勝率5割復帰、昨年から対ロッテ7連勝、今季札幌ドーム5戦不敗をもたらし、新天地での初白星に笑顔を見せた。

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バーベイトは勝利の瞬間、偉業を達成した宮西とがっちり握手した。前人未到の300ホールドへの筋道をつくった新助っ人は、うれしそうに言った。「みんなハッピーな気持ちだよ。おめでとうございます」。自身も来日初先発で初勝利と節目を飾った。お立ち台では日本語で「アリガトウゴザイマス」とファンに感謝。「ファイターズも僕も勝てた。いい1日になったよ」と笑みがあふれた。

馬力あふれる投球で、5回まで駆け抜けた。「ストライク先行を意識して、ゴロアウトが多く取れた」。低めにボールを集めることに集中。最速150キロの直球も、カーブやスライダーなどの変化球も、丹念に、浮かないように、投げ続けた。結果は5回2安打無失点。15個のアウトのうち、半数の7個(1つは併殺打)はゴロアウト。力のこもった1球1球はバットの芯を外し続けた。

不安視されたスタミナも切れなかった。「体力的にはもっといけた。自分の中ではペース配分もできていた」。開幕前の最長イニングは4回。青写真通りの省エネ投球で、来日後は未到の5回までを、わずか69球で投げきった。来日初登板となった2日楽天戦(楽天生命パーク)は気温2度前後の中でも半袖姿で投げた。「今日は室内だったから、すごく汗もかいたよ」と熱投を振り返った。

気合乗りがいい新助っ人の大好物は馬刺しだ。春季キャンプ終わりで北海道に初上陸した2月末。マルティネスら助っ人勢で焼き肉屋を訪れた際に気に入った。「これまで食べたことなかったけど、本当においしかった」。バクバクと馬肉を口に運んで、異国での活躍へ向けて景気づけした。「いろいろチャレンジしたい」と臆することなく日本文化を受け入れる姿勢もある。中継ぎもできる右腕は、チームに求められる役割とも折り合いを付けながら「驀進(ばくしん)」していく。【木下大輔】