ソフトバンクが離脱者続出の非常事態だ。5番の上林誠知外野手(23)が右手甲に死球を受けて途中交代。16日に昇格した長谷川勇也外野手(34)は右足を痛め、18日に出場選手登録を抹消される。左膝裏肉離れの柳田悠岐外野手(30)らも欠く打線は、ロッテに2試合連続完封負けを喫し、首位を陥落。3年連続日本一を目指す工藤ホークス、苦難の春だ。

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ベンチが凍り付いた。2回、上林の右手甲にロッテ岩下の146キロが直撃。顔をゆがめながらベンチに戻って治療し、3回まで守った。だが4回の打席で代打が送られた。試合中に千葉・習志野市内の病院へ行き、エックス線検査を受け、打撲と診断された。工藤監督は「投げる方は問題ないが、スイングは厳しいので代えた。相手が投げてくるボールなので仕方がない。打撲で済んでよかった。明日(18日)の状態を見てから」と説明した。

打線強化の切り札として16日に昇格したばかりの長谷川勇は出番なし。古傷の右足首ではなく、新たに右足の別の場所を故障した。18日に出場選手登録を抹消する。中村晃、グラシアル、柳田、福田と故障者が続出。上林が途中交代した後は、左翼川島、右翼牧原と本来内野手の2人が外野を守り、一、三塁が本職の美間が二塁を守る非常事態となった。

3番内川、4番デスパイネはともに無安打。打線は2日連続わずか2安打で連続完封負けを喫した。連続完封負けは16年7月18、19日のオリックス戦以来3年ぶり。ロッテ相手は69年に3試合連続があるが、2日連続は62年ぶり2度目の屈辱だ。

ロッテは今季1勝4敗と苦手にしている。打線が打てず、8回1失点で完投した大竹を見殺す形となってしまった。工藤監督は「大竹には勝たしてあげたかった。明日(18日)は打線が頑張ってくれるでしょう。負ける訳にはいかない。3連敗はしちゃいけない。みんなで何が何でもという思いで戦っていきたい」。巨大戦力のはずが、長谷川勇の代わりに昇格させる外野手が残っていない惨状。上林までも離脱となれば、打線はさらに弱くなる。首位争いを続けてはいるが、工藤ホークスが4月から苦境に立たされている。【石橋隆雄】

 

<今季のソフトバンク主な故障者>

【野手】

★中村晃 自律神経失調症=現在、リハビリ組でフリー打撃などを再開

★柳田 左膝裏肉離れ=4月7日の走塁中に故障。復帰まで3週間程度

★グラシアル 左脇腹痛=4月5日に痛めリハビリ中。2~3週で復帰目指す

★福田 左脇腹痛=4月14日打席でスイング中に痛める。復帰時期未定

★西田 左脇腹痛=4月2日の練習で痛める。全治6~8週間の見込み

★江川 腰手術=3月6日にヘルニアの手術。全治3カ月

★塚田 右膝手術=4月5日にガングリオンを除去。復帰まで2カ月

【投手】

★ミランダ 左膝痛=4月13日に7回無失点と好投も故障。復帰時期未定

★バンデンハーク 腰痛腰痛=キャンプから腰痛を抱えリハビリ中。ブルペン入り未定

★石川 右肘痛=3月下旬に再発。4月にPRP療法。夏場に復帰予定

★岩崎 右肘痛=キャンプから痛み続き、現在はノースロー調整中

★サファテ 股関節手術明け=オープン戦登板も本来の調子戻せず無期限調整中