スタメン復帰アピール打!! 広島西川龍馬内野手(24)が2試合続けて代打で貴重な同点打を放った。打線はDeNA先発今永からは得点を奪えなかったが、8回に得た好機でバットマンが結果を残した。

スタメンから外れて4打席連続打点。勝負強さが光る男が、今季初のサヨナラ勝利と今季初の連勝をお膳立てした。

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悔しさをバットにぶつけた。1点を追う8回2死一、二塁で代打出場の西川は砂田に2球見逃して追い込まれるも、冷静だった。1ボール2ストライクからの4球目スライダーに反応。一振りで仕留めた。送球の間に勢いに乗ったスライディングで二塁を奪った。16日巨人戦から3試合連続ベンチスタートも、4打席連続打点。反撃ののろしを上げるとともに、スタメン復帰へ猛アピールした。

「(2球で追い込まれて)どうしようと思ったけど、割り切って振っていこうと思った。ヒットを打つことしかなかった」

チームだけでなく、西川にとっても、苦しいスタートとなっている。出場機会を増やすため、昨秋から外野に挑戦。開幕戦は「3番」で起用され、1安打を記録した。だが、その後はスタメンで2安打しても、次戦はベンチスタートが2度もあった。打撃の調子とともに、モチベーションがうまく上がらない日々に表情は自然と厳しくなった。

チームは7回までは難敵今永に封じ込まれた。1週間前に1安打0封負けした打線から5番に長野を置き、6番にはこの日1軍初昇格の高橋大を抜てき。打率3割の野間を2試合続けてスタメンから外し、前日まで10試合連続で5番を務めてきた松山もベンチスタートさせた。だが打線組み替えも3回までは無安打、9アウトはすべて空振りか飛球。ゴロアウトは1つもなかった。5回無死一、二塁塁の絶好機も、本塁が遠かった。

だが、西川の一打で延長に持ち込み、最後は延長10回に会沢がサヨナラ打。緒方監督は「僅差のゲームを勝てたのでね」と今季初のサヨナラ勝利で連勝をもぎとった選手をたたえた。17日巨人戦の代打同点打に続き、西川がまたも重苦しい空気を変えた。「結果を出すしかない。(スタメン復帰へ)それにつながればいい」。スタメンを外れてから4打席連続打点の勝負強さは、得点力に悩む打線に必要な要素。バットマンの輝きが低迷する王者に勇気を与えた。【前原淳】