野球好き歌手の河野万里奈がプロ野球パ・リーグの4月ベストナインを選出した。

「僭越ながら、個人的に胸に響いたベストナインを選ばせていただきました。軸にした視点は、『その瞬間の輝きが強かった』『ぜひ伝えたい素敵な成績、エピソードがあった』の2つです。各ポジション1人に絞るのがとても難しかったです。より野球を、野球選手さんを、好きになる一助となれたら嬉しいです」(河野万里奈)

野球好き歌手が選んだ4月ベストナイン/セ・リーグ


先発投手=有原航平(日本ハム)

開幕から負けなしの4勝。防御率0.51は12球団トップ。わたしは、有原投手と石川亮捕手の呼吸ぴったりバッテリーが狂おしいほど好きだ。昨季の悔しさを活かしてインコースを積極的に要求する石川亮捕手と、首を振らずしっかり投げ込むことができている有原投手。みずみずしく頼もしいコンビ。余談だが、シュッとしたお顔立ちの有原投手は任侠映画が似合いそう(河野調べ)。仁義を貫き弱きを助けて慕われるアニキ役。

4月28日の日本ハム対ソフトバンク 試合終了後、ファンの声援に応える有原(撮影・佐藤翔太)
4月28日の日本ハム対ソフトバンク 試合終了後、ファンの声援に応える有原(撮影・佐藤翔太)

リリーフ投手=唐川侑己(ロッテ)

昨季途中からリリーフに転向し、4月22日まで20試合連続無失点。失点した23日も、負けはしなかった。直後に同い年の鈴木大地選手がソロホームランを放ったからだ。「ここまでユウキ(唐川投手)が本当に頑張ってくれていたので(中略)負けを消してあげられたのがすごいよかった」と語った鈴木選手。89年組の絆は、ZOZOマリンスタジアムによく映える。

4月20日のロッテ対日本ハム 8回に登板の唐川(撮影・黒川智章)
4月20日のロッテ対日本ハム 8回に登板の唐川(撮影・黒川智章)

捕手=森友哉(西武)

打ちすぎである。打率.369である。パ・リーグの首位打者である。バットが長く見えるのと、スイングの軌道がえげつないために、バットが海賊刀に見える。海賊がよく持っている反り返った刀だ。SNSで散見されるアップ中のほのぼの動画も魅力の一つ。最近良かったのは、ストレッチ中に秋山選手からお尻を枕にされるも、まんざらでもなさそうにする森選手の動画。

4月2日の西武対ロッテ 5回裏西武無死満塁、右越えに2点適時打を放つ森(撮影・たえ見朱実)
4月2日の西武対ロッテ 5回裏西武無死満塁、右越えに2点適時打を放つ森(撮影・たえ見朱実)

一塁手=山川穂高(西武)

本塁打数11、打点31は、ともにリーグトップ。ホームランを打った後にベンチ前で行うパフォーマンスが今季から「どすこい」に変わった。開幕前は「馴染むまで時間がかかるかな~?」なんて呑気に思っていたが、すでに11回も実践されているということになり、4月中にあっけなく浸透した。すごい。

4月24日のロッテ対西武 2回表西武無死、山川は左越えに先制ソロ本塁打を放ち「どすこいポーズ」を披露する(撮影・小沢裕)
4月24日のロッテ対西武 2回表西武無死、山川は左越えに先制ソロ本塁打を放ち「どすこいポーズ」を披露する(撮影・小沢裕)

二塁手=中村奨吾(ロッテ)

積極果敢な走塁にすっかり魅了されてしまった。ここまで9盗塁(リーグ2位)、7本塁打(リーグ3位)。練習中に目の下を10針縫う怪我を負うも、試合開始前には治療から戻り代打で出場。「自分の不注意」と自戒しつつ、つかんだ居場所を絶対に譲るものかという執念をたぎらせた。よりによって「BRAVE MAN」を背負う日(マリンフェスタで背ネームがニックネーム)にそれをやってのけた「絵になる男」っぷり。

☆迷った枠

4月21日のロッテ対日本ハム 左目下を切りながらも「BRAVE MAN」のニックネームユニホームを着て打席に立つロッテ中村奨吾(撮影・黒川智章)
4月21日のロッテ対日本ハム 左目下を切りながらも「BRAVE MAN」のニックネームユニホームを着て打席に立つロッテ中村奨吾(撮影・黒川智章)

☆迷った枠

渡辺諒(日本ハム)

1軍昇格直後にホームランを打ち、ファインプレーも魅せ、勝利に貢献した4月5日の試合が焼き付いて離れない。なんだかなべりょー選手は、わたしにはウサギみたいに見える。足が四本ありそうなくらい俊敏な守備とパンチある打撃で、想像をぴょーんと超えてくる。

4月21日のロッテ対日本ハム スタンドの応援団に手を振る渡辺(撮影・黒川智章)
4月21日のロッテ対日本ハム スタンドの応援団に手を振る渡辺(撮影・黒川智章)

三塁手=ウィーラー(楽天)

イーグルスの恐ろしい打者であり、陽気なランナーコーチ(ベンチ前)でもある。平石監督の誕生日に贈った勝ち越し3ランを含めて、殊勲打(先制・同点・勝ち越し・逆転となる安打)数は堂々1位。試合中の表情、動作のバリエーションが豊富すぎる。どれもひょうきんで「エンジェルウィーラー」と呼ばれるほどかわいい。わたしはパフォーマンスを勉強するため様々なアーティストのライブ映像を見るが、ウィーラー選手の動きこそ参考になる気がしてきた。

4月23日の日本ハム対楽天 9回表楽天1死一、二塁、左越え3点本塁打を放ちポーズをとるウィーラー(撮影・黒川智章)
4月23日の日本ハム対楽天 9回表楽天1死一、二塁、左越え3点本塁打を放ちポーズをとるウィーラー(撮影・黒川智章)

遊撃手=源田壮亮(西武)

4月14日、ルーキーイヤー開幕戦からの連続フルイニング出場が途絶えるなんて、思いもよらなかった。前日の死球で右手首を痛めたのだ。しかし19日には9番ショートでスピード復帰。結局休んだのは2試合のみで現在も打率3割台を維持。体が万全ではなくともないなりに無限の選択肢を考え出すことができ、なおかつ、それを再現し得るフレキシブルな肉体、技術を持っているのだな、と感じてなんだかもう…拍手を送るしかない…すごい…!

13日のオリックス戦で、右手首に死球を受ける西武源田(撮影・たえ見朱実)
13日のオリックス戦で、右手首に死球を受ける西武源田(撮影・たえ見朱実)

外野手=周東佑京(しゅうとう・うきょう=ソフトバンク)

「フルネームで呼びたいお名前ランキング」上位(河野調べ)。かっこいいのはお名前だけじゃない。昨季までは育成選手として3ケタの背番号を背負っていたが、開幕直前に支配下登録を勝ち取った。4月9日には出場2試合目にして初盗塁! 4月21日にはプロ初本塁打を含む4安打の大活躍! コツコツ撒いてきた種が芽吹く瞬間の輝きはあまりにも眩しい! そんな周東佑京の春!

4月21日の西武対ソフトバンク 5回表ソフトバンク2死一、三塁、右越え3点本塁打を放つ周東(撮影・河野匠)
4月21日の西武対ソフトバンク 5回表ソフトバンク2死一、三塁、右越え3点本塁打を放つ周東(撮影・河野匠)

外野手=荻野貴司(ロッテ)

「1番センター荻野貴司」が特攻隊長である世界線はとても熱く美しい。現在自己最長の14試合連続安打中。中村奨選手もそうなのだが、バルガス選手に唐突に目の前で自身の応援歌を歌われたときの戸惑いがかわいすぎる。オギノタカチ。バルガス選手へのリアクションで人となりがわかる、いわば「バルガス心理テスト」状態となっているマリーンズ公式Instagram。未見の方はぜひチェックしてほしい!!

4月28日の楽天対ロッテ 4回表ロッテ1死二、三塁、中前適時打を放つ荻野(撮影・足立雅史)
4月28日の楽天対ロッテ 4回表ロッテ1死二、三塁、中前適時打を放つ荻野(撮影・足立雅史)

外野手=大田泰示(日本ハム)

巨人時代の白米少年からは想像もつかないほど、色気溢れるサラサラヘアー。磨きがかかったのは見た目だけではない。4月24日楽天戦でキャリアハイの5安打5打点。お立ち台での「わけわかんないくらいヒットを打てちゃう…」というコメントも、初めてヒットを打った小学生みたく純朴で素敵だった。セクシー・かわいらしい・ワイルド・好プレー…と、応援しているこちらがわけわかんなくなるほど魅力が渋滞していた4月の大田選手。

4月10日のソフトバンク対日本ハム 6回表日本ハム1死一塁、大田は先制の2点本塁打を放ち、ベンチ前で満面の笑みを浮かべガッツポーズ(撮影・今浪浩三)
4月10日のソフトバンク対日本ハム 6回表日本ハム1死一塁、大田は先制の2点本塁打を放ち、ベンチ前で満面の笑みを浮かべガッツポーズ(撮影・今浪浩三)

指名打者=吉田正尚(オリックス)

平成最後の試合、故仰木彬元監督の誕生日に、ブルーウェーブのユニホームを身にまとい、背番号72で、ホームランを打ったこと。それが決勝打になったこと。200点満点のヒーローではないか。ちなみに新チャンス動画(プロレス風)では、胸のキワまで切れ込んだタンクトップ姿で筋トレをしており、なんだか「こんなに見ていいのかしら…」と罪な気持ちになってしまうほど素晴らしい肉体美である。5月ももっと見られることを期待したい。

4月29日のオリックス対西武 8回裏オリックス2死三塁、2点本塁打を放った吉田正尚は笑顔で三塁を回る(撮影・渦原淳)
4月29日のオリックス対西武 8回裏オリックス2死三塁、2点本塁打を放った吉田正尚は笑顔で三塁を回る(撮影・渦原淳)

河野万里奈(かわの・まりな)

5月21日生まれ、福岡県出身の歌手。関西学院大出身。物心がついた頃から、夏休みは兵庫・尼崎市の祖母宅に行き、家族で甲子園球場に通っていた。選手にドはまりした最も古い記憶は、04年の佐野恵太選手(東海大甲府高)。中学時代、多感な時期の女子たちとのコミュニケーションに苦しんでいた時に、鳥谷敬(阪神)の存在を知る。言葉でなく背中で語る姿に救われて以来、「鳥谷様」と呼ぶほどに崇拝。自称「鳥谷チルドレン」。甲子園から応援していた選手が各球団に散っていくため、特定の球団を応援することができない。「NPB箱推し(全体を応援している、の意)」で、現在は週1のペースで各地の球場に足を運んでいる。

2010年、「第4回アニソングランプリ」で応募者総数1万189組の中からグランプリを獲得し、翌年アニメ『Aチャンネル』のOP曲「Morning Arch」でデビュー。作詞作曲、ライブパフォーマンスのインスピレーションは9割野球選手から受けている。SNSの投稿内容の割合は、歌:野球=2:8。とにかく脳内が野球に支配されている。ライブ中のMCでも野球トークを繰り広げるため、共演者や音楽ファンをしばしば困惑させるほど。選手への愛しさ余って勝手に応援歌を作りSNSに投稿しており、昨年は西武ライオンズの山賊打線をテーマにした曲「ライオンズアラート」がややバズって喜んだ。選手の登場曲を担当することが夢の一つ。いつか鳥谷様に、ここまで育ててくださったことのお礼を言うことも夢の一つ。148センチ、右投げ右打ち。

2019年5月、テイチクインペリアルレコードより再メジャーデビューが決定。

5月15日にニューシングル『真人間入門』リリース。5月19日にワンマンライブ開催。

※5/15リリース「真人間入門」Music Video(https://youtu.be/2dOgrXy3QVo)

野球好き歌手・河野万里奈が熱く語る/シリーズ一覧

河野万里奈
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