主砲の一打で活気づいた日本ハムが、新元号のスタートを白星で飾った。

1日の西武4回戦(メットライフドーム)で、4番中田翔内野手(30)が初回2死二塁から決勝打となる先制適時打を放った。令和での初試合に2安打で10試合連続安打をマーク。主軸に引っ張られた打線が2試合連続2桁安打で打ち勝ち、貯金1で単独3位となった。

これがキャプテンだ。新時代初勝利を中田のバットが引き寄せた。初回2死二塁の第1打席。西武先発右腕、高橋光にカウント2-2と追い込まれながら、しぶとく左翼前へ落とす先制の適時打。新元号での初打点に「あともつながったし、チャンスでしっかり点を取れて良かった。チームメートがつないでくれたチャンスなので感謝したい」と、一丸の勝利を喜んだ。

3月29日、オリックスとの開幕戦(札幌ドーム)でサヨナラ満塁弾を放った。翌日にも一発が飛び出すなど、開幕から状態の良さが続いていた。しかし、4打数無安打に終わった4月7日以降、バットが湿りがちになっていた。不動の4番が、4月17日オリックス戦で今季初めて近藤に4番の座を譲った。「(打てずに)苦しんでいる人間が僕も含めている」と話すなどチームを気に掛けながら、復調へもがいてきた。

この日2安打で、4月18日オリックス戦(ほっともっと神戸)から10試合連続安打を記録した。この間、打率3割5分9厘。城石打撃コーチは「打席の中ですごく集中できている。状態はすごくいい」と目を細める。栗山監督が「先に行くのが大事」と力説した先取点をたたき出す、4番の仕事だった。中田は「ここという時に打点を稼げるようにどんどん打っていきたい」と気を引き締める。

4月22日には節目の30歳を迎えた。「自分のことはどうでもいい」と言い続ける主将2年目。「令和として1日目にチームとしていいスタートが切れた。ファンのみなさんに喜んでもらえるような試合をしたい」。チーム最多打点を20としたが、日本一奪還という最大の目標はまだ先にある。新時代「令和」でも大将がチームを引っ張っていく。【山崎純一】