巨人坂本勇人内野手(30)が開幕戦からの連続試合出塁を34とし、球団記録を更新した。ヤクルト7回戦(東京ドーム)の1回1死、小川から中前打。77年王貞治を抜き、セ・リーグ記録の97年金本(広島)の35試合にあと1に迫った。4回には同点の適時打、5回には走者一掃の適時二塁打を放ち、3安打4打点と大活躍。打率、本塁打に続き、打点もリーグトップタイに浮上した。巨人では74年王以来、令和初の3冠王の可能性も見え始めた。

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内角球にバットを内から出し、中前に運んだ。1回1死、坂本勇が代名詞の内角打ちで、開幕戦からの連続試合出塁を34に更新。77年王を抜き、球団記録を塗り替えた。「王さんを超えたとは思わないですし、格が違いすぎるので、そこは特に何も思わないですけど」と話した上で、記録の重みをかみしめた。

坂本勇 出塁は簡単にできることじゃないので、開幕から続いてるのはすごくいいことですし、たまたま僕が更新できたのは誇りには思いたいです。

内角打ちの天才と評されるが、その技術は巨人で磨きをかけた。高校時代は右方向への長打が魅力の1つだったが、プロ1年目はボールの威力に力負け。生き残るためにポイントを前に置き「前でさばく」技術を身に付けた。16年からは下からしゃくり上げるように「ラインを出す」フォームに変更。確実性を上げ、打率が向上した。

日々の生活でも開幕戦から決めごとを継続する。昨年12月に30歳を迎え、体の変化も痛感。今季は試合前日のお酒は3杯までと決めた。「今年1年はやっていこうかなと。どこで飲むかは自由。飲まない日もあるし、乾杯の1杯目もいいですけど、お肉を食べながらとかもおいしいので、自分で考えながら」調整する。

球団記録とともに、令和初の偉業も視界に捉えた。試合前から打率、本塁打はリーグトップだったが、この日の4打点で打点もバレンティン(ヤクルト)に並びトップタイに浮上。1日の中日戦で令和1号本塁打を放ち、新たな時代に名を刻んだ男が平成唯一の04年松中(ダイエー)以来、巨人では74年王以来の3冠王にも近づいた。

2位ヤクルトとの首位攻防戦を制し、ゲーム差を3に広げた。主将の歴史的な一打に、原監督は「簡単にクリアしたところに彼らしいというか、見事だと思います」と評価。坂本勇は「満足せず、日々新たにいい準備をして、頑張りたいなと思います」とみっちりと体をケアし、球場を引き揚げた【久保賢吾】